イムレ (ハンガリー王)

イムレについて

イムレ（1174年 - 1204年）は、ハンガリー王国 アールパード朝の国王であり、1196年から1204年までハンガリー及びクロアチアの王位に就いていました。彼は父ベーラ3世によって1184年に戴冠され、その後、彼の治世は様々な戦争や内乱に彩られました。特に、弟アンドラーシュとの争いが大きな特徴を持っています。

前半生

イムレはハンガリーの王ベーラ3世と彼の最初の妻アニェスとの間に生まれました。幼少期はイタリア出身の司教ベルナルドから教育を受け、エステルゴム大司教ニコラスのもとで戴冠を受けることで、王位継承権を確立しました。彼は神聖ローマ皇帝フリードリヒ1世の娘との婚約が交渉されましたが、その娘が早逝したため、縁談は成立しませんでした。

1146年、イムレはクロアチアとダルマチアの統治者に任命され、その後、父の死に伴い王位を継承します。しかしこの際、弟アンドラーシュとの権力争いが始まり、1197年にはアンドラーシュが反乱を起こしました。イムレは自らの立場を守るため、多くの戦いに明け暮れることになります。

弟との争い

イムレの治世初期は、アンドラーシュによる反乱と内戦の影響を受け、1697年に起きたスラヴォニアでの闘争が特に重要です。この戦いでイムレはアンドラーシュとその同盟者を撃退することに成功しましたが、1198年にはアンドラーシュにクロアチアとダルマチアを公国として授与せざるを得なくなりました。これにより、彼は弟との和平を図りつつも事実上の対立関係が続いていくことになります。

バルカン諸国との関係

1200年頃から、イムレはバルカン半島の政治情勢に深く関与することになります。特に教皇インノケンティウス3世との関係は重要で、彼は異端と見なされたボスニア教会の弾圧を求めました。その結果、イムレはセルビアに対して宗主権を行使し、セルビア王の称号を最初に名乗るようになります。1202年には、ヴェネツィア共和国が第4回十字軍を支持し、ザダルの占領を決定しますが、これがイムレの立場をさらに脅かすことになりました。

晩年

1203年、イムレは再びアンドラーシュとの対立に直面します。彼は一時的にアンドラーシュを捕らえましたが、ブルガリアとの接触が増す中で、外敵からの脅威が高まりました。1204年には重病にかかり、4歳の息子ラースローに王位を継承させることになりますが、その直後に没します。彼の死は、王位の継承と国内の権力構造に大きな影響を与えることとなります。

イムレはハンガリーの歴史の中で、家族や領土、宗教問題など複雑な要素が絡む中で治世を維持しようと苦闘した君主として記録されています。彼の後、息子ラースローは成長するまでの間、他の有力な貴族や支持者の影響の下での政治的運営が続くことになります。

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