イモージェン (駆逐艦)

イギリス海軍駆逐艦イモージェン：その栄光と悲劇の生涯

1936年、イギリス海軍は新たな駆逐艦を建造しました。その名はイモージェン(HMS Imogen)。I級駆逐艦に分類される同艦は、ホーソン・レスリー社によって建造され、1936年1月18日に起工、同年10月30日に進水、そして1937年6月2日に就役しました。

イモージェンは、第二次世界大戦において重要な役割を果たします。1939年10月13日、アイルランド南西沖で、姉妹艦であるアイレクスと共にドイツ潜水艦U42を撃沈するという戦果を挙げました。この活躍は、イモジェンの戦闘能力の高さを証明するものです。

その後、イモージェンはノルウェーの戦いに参加するなど、幾多の戦闘を経験しました。しかし、その輝かしい艦歴は、1940年7月16日に悲劇的な幕切れを迎えます。

この日の夜、イモージェンは巡洋艦サウサンプトン、シュロプシャー、サセックス、グラスゴー、そして他の駆逐艦7隻と共に、スカパ・フローからペンドランド湾への演習に向かいました。しかし、濃霧のため、艦隊はスカパ・フローへ引き返すこととなります。ダンカンズビーヘッド沖を航行中、濃霧の中、予期せぬ悲劇がイモージェンを襲います。僚艦であるグラスゴーが、イモジェンの艦橋前方に衝突したのです。

衝突により、イモージェンは火災に見舞われます。消火作業は困難を極め、失敗に終わります。さらに、弾薬庫の誘爆の危険性があったため、グラスゴーはイモジェンの乗員145名を収容した後、危険を避けて後進しました。消火作業は断念され、イモージェンは1940年7月17日0時45分以降に沈没したと推定されています。沈没地点は北緯58度34分、西経2度54分です。この事故で、イモージェンは18名の乗員を失い、10名が重傷を負いました。

イモージェンは、短くも華々しい艦歴を送った後、悲劇的な事故により失われました。その勇敢な乗員たちの犠牲は、決して忘れることができません。本稿では、イモジェンの建造から沈没までの歴史を、史料に基づき詳細に記述しました。その功績と悲劇の生涯は、後世への教訓として、そして海の戦いの歴史の中で、永遠に語り継がれるべきでしょう。

参考文献

Jhon English, Amazon to Ivanhoe, World Ship Society, 1993, ISBN 0-905617-64-9
Neil MacCart, Town Class Cruisers, Maritime Books, 2012, ISBN 978-1-904-45952-1

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