イルケシュタム峠

イルケシュタム峠は、キルギス共和国のオシ州と中華人民共和国の新疆ウイグル自治区との国境に位置する標高の高い峠です。この峠は、キルギス側の国境近くにある村の名前から取られており、歴史的には「シムハナ」という名称でも知られていました。これは、中国側に最初に定住した集落の名前に由来します。しかし現在では、両国間で「イルケシュタム」という名称が広く使われるようになっています。

この峠には、中国で最も西に位置する国境検問所が設置されており、キルギスと中国を結ぶ重要な交通路となっています。国境検問所は、両国間の人や物の移動を管理するための施設であり、貿易や観光などの活動を支えています。キルギスと中国の間には、他にも国境検問所がありますが、イルケシュタム峠はその中でも特に重要な役割を果たしています。もう一つの主要な検問所は、イルケシュタム峠から北東に約165km離れた場所にあるトルガルト峠です。

イルケシュタム峠から新疆ウイグル自治区のウルグチャト県（烏恰県）の中心部までは約140km、キルギス側のオシ州の州都オシまでは約210kmの距離があります。この距離からも分かるように、峠は両国にとって地理的に重要な拠点であり、歴史的にも文化的にも深い繋がりがあります。

峠周辺の地域は山岳地帯であり、気候も厳しく、冬季には雪が積もることが一般的です。しかし、その険しい地形にもかかわらず、この峠は古くから交易路として利用されており、シルクロードの一部を担っていました。現在でも、この峠を通る道路は重要な物流ルートとして機能しており、地域の経済活動を支えています。

参照項目:
トルガルト峠

脚注:


外部リンク:
イルケシュタム峠超え写真集（note、2019年4月）
* イルケシュタム峠超え写真集（Trabitt、、2019年10月）

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