イングラム (機動警察パトレイバー)

イングラム (INGRAM)とは

イングラムは、アニメおよび漫画『機動警察パトレイバー』に登場する、架空の人型ロボットです。篠原重工八王子工場が製造し、警視庁の警備部特科車両二課に所属するこの機体は、特に警察用レイバーとしての設計がされています。型式番号はAV-98であり、劇中では数種の同型機も登場します。

機体の概要

イングラムは作品の主役メカとして位置づけられており、その開発にあたっては、先行機であるASUKA96MPLの能力不足が指摘され、篠原重工による次期MPL計画がスタートしました。この計画の結果、イングラムは第1号機として誕生しました。名称の由来はイングラムM10に起因し、その略称として「不確定型陸上兵装車両」という説明も付けられていますが、これは後付けの翻訳とされています。型式「98」は当時のパソコン技術を参考にしたもので、非常にユニークな命名規則が採用されています。

イングラムは、密閉型コクピットを採用し、人間に近いデザインを活かしています。このデザインにより、優れた運動性能を持ち、手持ちオプションを豊富に使用可能にしています。さらに、コクピットは高機動性を求めた結果、狭く居住性には難があるものの、見た目の優雅さと高い機動力は観る者に強い印象を残します。

使用の背景と開発費

イングラムの開発は、特車二課での実用データを蓄積する目的でも進められました。その結果、特に廉価で納品されることになったのは、将来的な新型OSへのデータ統合を見込んでいたからです。このOSは、レイバーの統一規格化に寄与する計画の一端であり、評価の高い機体設計を生かした開発が行われています。

作中での役割

イングラムの主要な搭乗者には、泉野明や太田功などがおり、それぞれが機体を駆使しさまざまな状況に対応します。また、1号機は特に運動性に優れた機体に成長し、小回りや周囲の状況に応じた操作が得意です。一方で、2号機はゴリ押し戦術に特化したパワーを持っています。そのため、機体の使用には搭乗者のスキルも影響を与えます。

各機の特徴

• - イングラム1号機: 主に運動性に特化した機体で、小回りが利きますが、パワーでの直接的な戦闘には不向きです。
• - イングラム2号機: パワー重視の機体で、直接的な戦闘に優れていますが、細かい操作には苦手さがあります。
• - イングラム3号機: 主にデータ取り専用の予備機で、特記すべき特徴は少ないものの、緊急時には1号機のデータが活用されることが多いです。

他メディアでの展開

イングラムはオリジナルのアニメ以外にも、さまざまなメディアに登場しています。映画、ゲーム、漫画など、あらゆる展開でそのデザインがそのまま活かされ、観客やファンに強い印象を与えています。特に劇場版では新たなデザインが採用されたり、キャラクターたちとの絡みが描かれることで、より深いストーリーが展開されます。ゲームエディションでもイングラムは主要な役割を果たし、その人気は衰えを知らないものとなっています。

受賞歴と評価

特に1990年度のグッドデザイン賞をはじめとした受賞歴もあり、プラモデルとしても高評価を得ています。これらの背景をもとに、イングラムは今なお多くのファンの心に残る特別な存在であり続けています。作品中のメカデザインとしてだけでなく、個々のキャラクターたちとの関わりも含め多面的に評価されることで、アニメ界に与えた影響も計り知れないものがあります。

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