イングリッシュ・バロック・ソロイスツ

イングリッシュ・バロック・ソロイスツ（English Baroque Soloists）は、イギリス・ロンドンを拠点とする著名な古楽器オーケストラです。日本語では「イギリス・バロック管弦楽団」と表記されることもあります。

沿革と概要

その起源は、指揮者ジョン・エリオット・ガーディナーが1968年に設立したモンテヴェルディ管弦楽団に遡ります。当初は現代楽器を使用していましたが、1978年に古楽器オーケストラであるイングリッシュ・バロック・ソロイスツとして再編されました。ガーディナー自身が1964年に創設したモンテヴェルディ合唱団とは、設立当初から密接な関係にあり、数多くのコンサートや録音で共演を重ねています。

イングリッシュ・バロック・ソロイスツのレパートリーは、初期バロックのモンテヴェルディから、古典派のモーツァルトに至るまで、非常に幅広い時代を網羅しています。ガーディナーは、古典派以降のロマン派音楽の演奏には、自身が設立した別のオーケストラ、オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティーク（Orchestre Révolutionnaire et Romantique）を起用し、それぞれの時代に最適な楽器編成と演奏解釈を追求しています。

録音

イングリッシュ・バロック・ソロイスツは、数多くの録音をリリースしており、その質の高さと音楽的な深さで世界的に高い評価を受けています。代表的なレコーディングとしては、以下のようなものが挙げられます。

モンテヴェルディ・シリーズ：モンテヴェルディのオペラや宗教作品を網羅的に録音したシリーズ。
バッハのカンタータ全曲集：バッハの教会カンタータを、古楽器を用いて演奏した全曲録音。
バッハの宗教曲：ロ短調ミサ、マタイ受難曲、ヨハネ受難曲など、バッハの主要な宗教作品。
ヘンデルの宗教曲：メサイア、サムソン、エジプトのイスラエル人など、ヘンデルのオラトリオ。
モーツァルトのオペラ：フィガロの結婚、ドン・ジョヴァンニ、コシ・ファン・トゥッテなど、モーツァルトの主要なオペラ。
モーツァルトの宗教曲：レクイエム、ミサ曲ハ短調など、モーツァルトの宗教作品。
マルコム・ビルソン独奏によるモーツァルトのピアノ協奏曲集：フォルテピアノを用いて、モーツァルトのピアノ協奏曲を演奏した録音。

これらの録音は、古楽器演奏の分野における重要な業績として、今日でも高く評価されています。ガーディナーとイングリッシュ・バロック・ソロイスツは、古楽器による演奏を通じて、バロック音楽や古典派音楽の新たな魅力を引き出し、多くの聴衆に感動を与え続けています。

外部リンク

English Baroque Soloists - 公式ウェブサイト

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