インコタームズ

インコタームズとは

インコタームズ（Incoterms）は、国際商業会議所（ICC）によって設定された国際貿易における条件の定義であり、貿易の円滑な進行を図るために必要不可欠な規則です。この用語は、英語の "International" の "In"、フランス語の "Commerce" の "co"、そして "Terms" を組み合わせたものです。1936年に初版が発表されてから、時代の流れに応じて改訂を重ね、最新のインコタームズ2020は2020年1月1日から施行されています。

インコタームズの意義

貿易において、運賃や保険料、リスクの負担など、さまざまな条件が存在します。しかし、国ごとにこれらの用語の解釈が異なることが多いため、貿易を行う際には国際的に統一された定義が必要です。インコタームズは、こうした条件を明確にするために導入され、売主と買主の間の合意をスムーズに進める役割を果たしています。

インコタームズは法的な強制力を持たない任意のルールですが、契約書に「本契約で使用される貿易条件はインコタームズ2020によって解釈する」といった条項を挿入することで、実質的に利用されています。さらに、当事者間の同意があれば、他のバージョン（例えば1990年版）を参照することも可能です。

インコタームズの歴史

貿易取引の歴史の中で、価格を決定するためには取引条件が不可欠でした。双方の費用計算の基準として、輸送料や保険料、通関費用、関税などの負担分担が含まれます。このような取り決めは、インコタームズが登場する以前にも存在していましたが、商慣習の変化とともに明確な基準が求められるようになりました。1883年、国際商業会議所が設立され、1929年以降からは毎年のように貿易条件の研究が発表されるようになりました。

1936年にインコタームズが発表されて以降、1953年、1967年、1976年、1980年といった改訂が行われ、逐次、このルールは進化してきました。特に1980年以降は、コンテナ輸送の重要性から新たな運送条件が追加され、以降もリスクとコストの分配を合理的に行うための改訂が重ねられています。

インコタームズの主な条件

インコタームズには、条件のグループに基づく分類があり、それぞれの条件には重要な役割があります。2010年の改訂で、13の取引条件を11にまで厳選し、使い勝手の良さを意識した規則が導入されました。これにより、取引の透明性が増し、トラブルを未然に防ぐための medidasが強化されました。

以下に、代表的なインコタームズの条件を示します。

• - EXW (Ex Works)：売主の工場や敷地で商品の引き渡しが行われ、以降のリスクやコストは買主が負担します。
• - FOB (Free On Board)：売主が積地の港で本船に荷物を積み込むまでの責任を負い、その後の負担が買主に移行します。
• - CIF (Cost, Insurance and Freight)：売主は、商品を積み込む際の費用に加え、輸送と保険も負担し、その後のリスクは買主が引き受けます。
• - DDP (Delivered Duty Paid)：売主が買主へ商品を届けるまでの全コスト（関税含む）を負担し、リスクも移転しません。

まとめ

インコタームズは国際貿易において最も重要な規則の一つであり、その目的は取引の透明性と効率性を確保することです。売主と買主がスムーズに取引を行うためには、これらの条件を十分に理解し、適切に契約に盛り込むことが求められます。最新のインコタームズ2020を踏まえ、貿易を行う際には新たな知識と理解が重要です。

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