インストルメンタル・ジャーニー

『インストルメンタル・ジャーニー』は、日本の公共放送であるNHKのFM放送でかつて展開されていた音楽番組です。2009年3月31日から2011年3月26日にかけて放送されました。放送時間は原則として毎週月曜日から金曜日の深夜、具体的には火曜日から土曜日の未明にあたる午前0時から午前0時50分までの50分間でした。

この番組は、2007年4月から2009年3月まで同じ時間帯に放送されていた『ミュージック・リラクゼーション』を基に、一部内容が刷新されたものです。一日が終わり、新たな一日が始まる区切りとなる深夜の0時台という特性を意識し、リスナーが心身ともにリラックスできるような穏やかな時間を創出することを目指していました。

番組の核を成すのは、選りすぐられたヒーリングミュージックです。特に、歌詞を持たないインストゥルメンタル楽曲が中心に選曲されていました。言葉による情報が少ないインストゥルメンタル音楽は、リスナーがそれぞれの想像力を働かせながら、あるいはただ静かに耳を傾けることで、より深くリラックスできる効果が期待されます。

音楽の間には、ナレーターによる語りや詩の朗読が挿入されました。番組のパーソナリティは主に棚橋志乃が担当し、その落ち着いた声でリスナーに語りかけ、一日の疲れを癒やし、穏やかな眠りへと誘うような、あるいは新しい日への静かな期待を抱かせるような雰囲気を作り上げていました。ただし、時期によっては、棚橋志乃と同じ事務所に所属する西村祐美が代理としてナレーションを務めたこともあります。

『インストルメンタル・ジャーニー』は、NHK-FMでの本放送以外にも、異なる媒体で放送される機会がありました。

地上デジタルラジオ実用化試験放送: 地上デジタルラジオの試験放送期間中には、本放送の深夜とは異なり、月曜日から金曜日の午後2時から午後2時50分にかけて放送されていました。
NHKワールド・ラジオ日本: 国際放送であるNHKワールド・ラジオ日本においても放送実績があります。こちらは定時放送ではなく、国会中継やスポーツ中継など、国内の第一放送の番組が編成上の都合で国際放送でそのまま同時放送できない場合に生じる空白時間帯を埋める番組の一つとして、不定期に放送されました。この場合、『にっぽんのうた 世界の歌』や『弾き語りフォーユー』といった他の番組と同様に扱われていました。

残念ながら、『インストルメンタル・ジャーニー』は2011年3月をもってその放送を終了しました。約2年間にわたる放送期間でしたが、深夜の静寂の中で、心地よい音楽と穏やかな語りを通して、多くのリスナーに安らぎの時間を提供した番組として記憶されています。

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