インスペック

インスペック株式会社について

インスペック株式会社は、日本の秋田県仙北市に本社を置く半導体検査装置の専門メーカーです。主に半導体パッケージ基板や精密配線板の外観検査装置を開発・製造しており、この分野に特化した企業として知られています。会社名の「インスペック」は、英語の「inspection」（検査）の言葉が由来であり、社名からその事業内容が連想できるように、社内での公募によって選ばれました。

事業状況と課題

近年、業績面では厳しい状況に直面しており、特に2013年度においては債務超過に陥る苦境を経験しました。その後、第三者割当による増資を実施することによって、財務状況を改善し、債務超過を解消しました。しかし、この時期に時価総額を維持するために、社員に株式購入を促す行為が金融商品取引法に抵触するとの指摘を受けました。その結果、証券取引等監視委員会から金融庁への勧告が出され、会社は課徴金納付命令を受ける事態となりました。

企業の沿革

インスペック株式会社の歴史は1984年に遡ります。1984年1月に太洋製作所として電子部品の組立を目的に創業され、1988年には有限会社太洋製作所として法人化されました。1991年には株式会社太洋製作所に組織変更し、本社を秋田県仙北郡（現在の仙北市）角館町雲然へ移転しました。

1997年には商号を株式会社大洋製作所に変更し、さらに2001年1月にはインスペック株式会社へと改名しました。その後、2003年3月には東京オフィスを開設し、2006年には東京証券取引所のマザーズ市場に上場、市場での認知度を高めていきました。

2013年9月には、台湾に現地法人「台湾英視股份有限公司」（Inspec Taiwan Inc.）を設立し、国際展開をさらに推進しました。また、2015年にはスイスのプリント基板製造装置メーカーであるファーストEIEの株式の51%を取得し、連結子会社化しました。2017年9月には東京証券取引所の市場選択制度を利用して、東京証券取引所第二部へと市場変更をしました。

関連会社と今後の展望

インスペック株式会社には、クラーロ株式会社、First EIE SA、Inspec Taiwan Inc.といった関連会社があります。これらの企業との連携を通じて、より広範な市場へのアクセスや技術力の向上を目指しています。

今後も半導体業界のニーズに応えるべく、より高精度な検査装置の開発と、革新的な技術の導入を進めていくことで、さらなる成長を遂げることが期待されています。業績が厳しかった過去を乗り越え、企業としての信頼性や技術力を強化し、世界市場での競争力を維持・向上させていく努力が重要です。

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