インターナショナル・シャーク・アタック・ファイル

インターナショナル・シャーク・アタック・ファイル（International Shark Attack File：ISAF）は、世界中で発生したサメによる襲撃事件に関する情報を集積した、国際的なデータベースです。日本語では、国際サメ被害目録や国際サメ襲撃ファイルなどと訳されることがあります。

ISAFの起源は、第二次世界大戦中にまで遡ります。当時、軍人がサメによって受けた被害に関する情報が記録され、目録としてまとめられました。この目録が、ISAFの原型となりました。

1958年から1968年までの期間には、アメリカ合衆国海軍省海軍研究局（Office of Naval Research）から資金提供を受けていました。この期間中に、世界中のサメによる被害情報を組織的に収集するシステムが確立されました。これにより、ISAFは世界規模での情報収集能力を持つデータベースへと発展しました。

ISAFは、その保管場所を何度か移転しています。一時期はフロリダ州サラソータにあるモート海洋研究所（Mote Marine Laboratory）に設置されていましたが、現在はフロリダ州のフロリダ大学敷地内にあるフロリダ自然史博物館に移されています。

現在、ISAFは海洋学者のジョージ・H・バージェス（George H. Burgess）などが参加する軟骨魚綱の研究機関、アメリカ板鰓亜綱協会（the American Elasmobranch Society）によって運営されています。この協会は、サメやエイなどの軟骨魚類に関する研究を推進しており、ISAFはその重要な情報源となっています。

ISAFのデータベースには、4000件以上ものサメ襲撃事例が記録されています。これらの事例に関する情報は非常に詳細で、解剖報告書や写真など、ISAFの権限によって特別に収集された貴重なデータも含まれています。これらの情報は、サメの生態や行動、襲撃の状況などを分析するために用いられています。

ISAFのデータへのアクセスは厳格に管理されており、審査委員会の許可を得た科学者のみが利用できます。これは、データの機密性を保護し、不適切な利用を防ぐための措置です。

ISAFは、サメによる襲撃事件に関する貴重な情報を提供することで、サメの研究や安全対策に貢献しています。その長年の活動を通じて、サメと人間の共存に向けた理解を深める上で、重要な役割を果たしています。

関連情報：

軟骨魚綱
板鰓亜綱

外部リンク：

* 公式ウェブサイト（英語）

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