サメによる襲撃

サメによる襲撃

サメによる襲撃とは、サメが人間に攻撃を加えることであり、獣害の一種です。世界中で年間80件ほどの報告がありますが、サメが人間を襲う事例自体は非常に稀です。しかし、映画作品などの影響で、サメは世界中で強い恐怖の対象となっています。

概要

人間を襲うサメは、ホホジロザメ、イタチザメ、オオメジロザメの3種類がほとんどです。人間に危害を加える可能性のあるサメも30種類ほどに過ぎず、500種類以上存在するサメ全体から見ればごく一部です。ヨゴレも人間を襲撃するとされますが、外洋での事例が多いため記録は多くありません。

サメは通常、小魚、無脊椎動物、アザラシ、アシカなどの海獣を捕食します。人間を食べることはなく、襲撃は好奇心や混乱によって引き起こされると考えられています。

統計

インターナショナル・シャーク・アタック・ファイル（ISAF）の統計によると、1958年から2016年の間に世界中で2,785件のサメによる襲撃が報告され、うち439件が死亡事故でした。2001年から2010年の間には、年間平均4.3人がサメの襲撃で死亡しています。

ただし、サメによる襲撃件数の統計がない国も多く、世界全体の正確な死亡事故件数は不明です。負傷者数についても同様です。

アメリカ合衆国はサメによる襲撃件数が最も多く、年間平均16件発生し、2年に1人が死亡しています。フロリダ州、ハワイ州、カリフォルニア州、テキサス州などの沿岸部での発生が多い傾向にあります。死亡事故件数はオーストラリアが最多で、ダイバーが襲撃される事故が多く発生しています。

先進国は発展途上国に比べて詳細な記録を残しているため、地域別の襲撃件数には偏りが生じている可能性があります。

対策

個人的な対策

サメの襲撃を防ぐために、個人でできる対策を以下に示します。

単独行動を避け、複数人で行動する
夜間ではなく日中に遊泳する
魚が多く生息する海域を避ける
貴金属は魚の鱗のように反射するため、身に着けない

シャークバリア

シャークバリアは、ビーチの周囲に設置する防壁です。サメの侵入を防ぎ、安全な遊泳エリアを確保します。ただし、波が強い場所では効果が期待できません。

シャークネット

シャークネットは、オーストラリアや南アフリカなどで使用されている刺し網の一種です。日本では、海水浴場でのサメの侵入を防ぐために、遊泳区域を囲むように設置される網を「サメよけネット」「サメ防護ネット」と呼ぶことがあります。

シャークネットはサメの襲撃を減らす効果がある一方、絶滅危惧種のサメが混獲される問題があり、環境保護団体や科学者から批判されています。

ドラムライン

ドラムラインは、餌をつけた釣り針を仕掛けてサメを捕獲する罠の一種です。1962年にオーストラリアのクイーンズランド州で初めて導入されました。ホホジロザメ、イタチザメ、オオメジロザメによる襲撃をシャークネットよりも効果的に減らすことができるとされています。

その他の対策

ビーチパトロールや空中哨戒も行われていますが、効果は限定的です。その他、沿岸部のサメを沖合に移動させたり、サメに識別タグを付けて追跡したりする対策も行われています。

関連項目

インターナショナル・シャーク・アタック・ファイル（ISAF）
鮫の夏
ベサニー・ハミルトン
ニュージャージーサメ襲撃事件
瀬戸内海サメ騒動
シャルム・エル・シェイクサメ襲撃事件

外部リンク

* ISAF公式サイト（英語）

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