インターナショナル・ニュークリア・サービス

インターナショナル・ニュークリア・サービス（INS）

インターナショナル・ニュークリア・サービス（International Nuclear Services, Ltd.、略称: INS）は、イギリスに本社を置く核燃料の管理及び輸送に特化した企業です。この会社はカンブリア州のホワイトヘブンに拠点を構えており、イギリス政府が設立した核廃棄物処理のための機関である原子力廃止措置機関（Nuclear Decommissioning Authority, NDA）の完全子会社として運営されています。また、INSは日本法人であるINSジャパンも持ち、日本における放射性物質の輸送や廃棄物処理に関する技術支援を行っています。

歴史

INSの起源は、ブリティッシュ・ニュークリア・フューエルズ（British Nuclear Fuels Ltd.、BNFL）の使用済み核燃料部門にあります。2006年には、BNFLの再編に伴い、その49%がNDAに譲渡されました。この譲渡の結果、2007年には社名をInternational Nuclear Servicesに変更し、さらに2008年4月にBNFLが解散したことにより、残りの51%もNDAに取得され、INSは完全子会社となりました。

運営内容

INSは、ウラン、MOX燃料、使用済核燃料及び放射性廃棄物の管理や輸送、さらにはコンサルティングサービスを提供しています。NDAの商業部門としての役割も果たしており、セラフィールドやドーンレイにある施設に関連する契約の管理を行います。この業務の一環として、INSはNDAの関連企業であるDirect Rail Servicesとの協力を通じて、国内における核物質の鉄道輸送も担っています。

海上輸送

INSは、核物質の海上輸送の大部分をパシフィック・ニュークリア・トランスポート（Pacific Nuclear Transport Ltd.、略称: PNTL）を通じて行っています。INSはPNTLの62.5%の株式を保有しており、 残りの株式はフランスのアレヴァと日本の核関連企業が保有しています。PNTLの船隊は、核物質輸送専用の船から成り、主にヨーロッパと日本間の輸送を行っています。これらの船は、安全に配慮して設計されており、高い基準で運用されています。長年の運航歴の中で無事故を誇るパフォーマンスを維持しています。

PNTLの船隊は、英国のサービス会社であるセルコにより管理されており、INSが所有する2隻の船舶の警備も同社が担当しています。これらの船舶には、安全確保のために迅速な対応ができるように民間の原子力警察の要員が同乗しています。

まとめ

インターナショナル・ニュークリア・サービスは、単なる企業にとどまらず、以下のような複雑なエコシステムの一部として、核燃料の安全な管理と輸送を確保する重要な役割を果たしています。日本法人を通じて外国市場での技術支援を行いながら、国内外でのサービスを提供し、核エネルギーの安全な利用に貢献しています。

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