インターネットバックボーン

インターネットバックボーンとは

インターネットバックボーンは、インターネットの根幹をなす主要幹線網です。これは、世界中のデータを高速かつ大量に伝送するための、巨大なネットワークの集合体です。国境や大陸を越えてデータをやり取りするための、いわばインターネットの「大動脈」として機能しています。

バックボーンの構造

インターネットバックボーンは、複数の大規模ネットワークが相互接続することで構成されています。これらのネットワークは、商用プロバイダ、政府機関、教育機関など、さまざまな組織によって運営されています。通常、インターネットサービスプロバイダ（ISP）は、バックボーンネットワークを形成する別の企業から帯域幅を購入し、それを利用して個々の利用者や企業にインターネットサービスを提供しています。

例えば、地域ISPが、より大規模なバックボーンプロバイダから帯域幅を購入し、その帯域幅を使って、家庭やオフィスにインターネット接続を提供するという流れになります。バックボーンを構成する個々のネットワークは、企業、大学、政府機関（軍事関連を含む）などが所有していることが多いです。

インターネットの適応力

インターネットの大きな特徴の一つとして、高い適応力（障害許容力）が挙げられます。これは、ネットワーク上の各要素に依存せず、データの完全性、信頼性、認証などの処理を、エンドポイント（通信の端点）に委ねるという設計思想に基づいています。つまり、ネットワーク全体で情報を共有するのではなく、データが送受信される最終地点で処理を行うため、一部のネットワーク要素がダウンしても、他の経路を通じて通信を継続できる仕組みです。

さらに、今日のインターネットバックボーンは、高度な冗長化技術と洗練されたルーティングプロトコルを採用しています。これにより、ネットワークの混雑を避け、負荷を分散するために、リアルタイムで代替経路を選択することが可能になっています。たとえば、ある経路が混雑している場合、別の空いている経路を自動的に選択して、スムーズな通信を実現できます。

関連用語

• - インターネットエクスチェンジ（IX）: 複数のネットワークが相互接続するための物理的な場所。トラフィックの交換を円滑に行うために重要な役割を果たします。
• - ピアリング: 異なるネットワーク同士が直接接続し、トラフィックを交換すること。バックボーン同士の接続でよく見られます。
• - ルーティング: データパケットを目的地まで効率的に転送するための経路選択プロセス。インターネットの根幹をなす技術です。
• - インターネットサービスプロバイダ（ISP）: インターネット接続サービスを提供する事業者。バックボーンネットワークを利用して、ユーザーにサービスを提供しています。
• - ルートサーバ: インターネットのDNSシステムの最上位にあるサーバ。ドメイン名解決の基盤を担っています。
• - Internet2: アメリカの大学を中心とした研究・教育用ネットワーク。
• - トランキング: 複数の通信回線をまとめて1つの回線として扱う技術。バックボーンの効率的な運用に不可欠です。

外部リンク

• - Deutsche Telekom's Global Backbone
• - Russ Haynal's ISP Page
• - Internet backbone maps
• - Information Aesthetics, Internet backbone map
• - Automatically generated backbone map of the Internet
• - IPv6 Backbone Network Topology
• - グローバルインターネット 村井純、2003年12月8日

インターネットバックボーンは、現代社会において不可欠なインフラストラクチャです。その高度な技術と複雑なネットワーク構成は、世界中の情報伝達を支えています。

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