インティファーダ

インティファーダとは

インティファーダ（اِنْتِفَاضَة, ʾintifāḍa）は、アラビア語で「揺れ」「震え」「蜂起」を意味する言葉です。現代では主に、抑圧に対する民衆の抵抗運動、特にパレスチナにおける民衆蜂起を指す言葉として用いられています。英語ではIntifada, Intefadah, Intifadahなどと表記されます。

パレスチナのインティファーダ

パレスチナにおけるインティファーダは、イスラエルによる占領に対するパレスチナ人の抵抗運動として知られています。イスラエル側からは、この運動は国際社会を反イスラエルに導くためのテロ活動とみなされることもあります。

パレスチナでは過去に2度の大きなインティファーダが発生しました。

第1次インティファーダは、1987年にガザ地区で起きた交通事故をきっかけに始まりました。この蜂起は、パレスチナ人の死者1000人以上、逮捕者数万人という大きな犠牲を伴いました。1993年のオスロ合意によって一旦沈静化しましたが、その影響は今も残っています。

第2次インティファーダ（アル＝アクサ・インティファーダ）は、2000年に当時のイスラエル首相がアル・アクサモスクを訪問したことをきっかけに発生しました。この蜂起は、ヤーセル・アラファートの死去や、国際的な和平努力によって2005年頃には沈静化したとされています。

これらのインティファーダは、イスラエルとパレスチナの間の深い溝を浮き彫りにし、パレスチナ人の自己決定権に対する強い願望を示しました。

2000年代半ば以降、パレスチナでインティファーダと称される活動は発生していません。2017年にはアメリカがエルサレムをイスラエルの首都と宣言しましたが、大規模な抗議運動には至りませんでした。

この背景には、パレスチナ自治政府への不信感や、イスラエル経済への依存の高まりがあると考えられています。

また、インターネット上では、パレスチナの現状とパレスチナ問題に対する国際世論の関心を高めることを目的とした「エレクトロニック・インティファーダ」という抵抗運動サイトも存在します。

パレスチナ以外のインティファーダ

インティファーダは、パレスチナだけでなく、他の地域でも発生しています。

イラクでは、1991年の湾岸戦争直後に、シーア派やクルド人がサッダーム・フセイン政権に対して大規模な反乱を起こしました。これは「1991年インティファーダ」と呼ばれています。この反乱は、イラク軍の敗走と、国内の反戦・反フセイン意識の高まりによって引き起こされましたが、最終的には政府軍によって鎮圧され、多くの犠牲者が出ました。

2003年のイラク戦争後には、ムクタダー・サドルがアメリカ軍の占領終了を求めて「イラク・インティファーダ」と呼ばれる暴動を指揮しました。

まとめ

インティファーダは、民衆が抑圧や不当な状況に対して抵抗する行為を指す言葉です。パレスチナにおけるインティファーダは、イスラエルとの紛争の象徴的な出来事として、その歴史と意味を深く理解する必要があります。しかし、インティファーダは、パレスチナ以外の地域でも発生しており、その背景や原因は様々です。

これらの事例を通じて、インティファーダという言葉が持つ多面的な意味を理解し、それぞれの地域における社会情勢や歴史的背景を踏まえた上で、この言葉を捉えることが重要です。

脚注

関連項目:

ハマース
パレスチナ問題
イラク戦争
湾岸戦争
中東戦争

外部リンク:

The Intifada and Nonviolent Struggle, Arabic（PDF）（Gene Sharp, Albert Einstein Institution）

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