インテラハムウェ

インテラハムウェ：ルワンダ虐殺における民兵組織の実態

インテラハムウェ（Interahamwe）は、ルワンダにかつて存在した民兵組織であり、1994年のルワンダ虐殺において中心的な役割を果たしました。当時の与党であった民主主義・開発国民共和運動 (MRNDD) のフツ系過激派によって組織され、その活動はルワンダの歴史に深い傷跡を残しました。

インテラハムウェの意味

インテラハムウェはルワンダ語で「共に働く者」「共に攻撃する者」または「共に働き団結する者」という意味を持ちます。この名称が示すように、組織は団結と共同行動を重視していました。

設立と構成

1991年末に、インテラハムウェの設立が決定されました。組織の上層部はリーダー11人、全国委員会委員5人、アドバイザー6人で構成され、代表にはジェリー・ロバート・カジュガが選出されました。カジュガはサッカークラブの代表でもあり、クラブのメンバーをインテラハムウェに提供する代わりにリーダーの地位を得たとされています。アドバイザーには、プロタ・ジギラニラゾ、セラフィン・ルワブクンバなど、フツ強硬派が名を連ねていました。

全国委員会の構成員には、第1副代表フェネア・ルフムリザ、第2副代表ジョージ・ルタガンダ、事務総長ユージン・ムバルシマナなどがいました。地方レベルにも委員会が存在しましたが、虐殺においてどれほど重要な役割を果たしたかは明確ではありません。

創設と武装化

インテラハムウェは1992年初めにMRNDDの青年部として設立されました。当初は武装組織ではありませんでしたが、その後急速に武装化が進みました。キガリ周辺の失業した若者や、難民キャンプにいた人々がメンバーとして勧誘されました。注目すべき点として、インテラハムウェにはフツだけでなくツチも参加していました。

他の青年部との違いは、軍やMRNDDの強硬派による軍事訓練が行われたことです。ただし、インテラハムウェの全員が民兵化したわけではありません。軍事訓練は1992年から1993年にかけて始まりましたが、その目的が武装化のためだったのか、民間防衛システムの一環だったのかは定かではありません。

インテラハムウェと民間防衛システムは組織として一部重なっていましたが、全てのメンバーが相互に組み込まれていたわけではありません。組織の軍事化は組織的ではなく、状況に応じて行われたものでした。

ジェノサイドにおける役割

1993年になると、ルワンダ愛国戦線(RPF)との対立が激化し、インテラハムウェ内部でも親RPF派と反RPF派に分裂が生じました。1994年4月以前は、党員拡大のための活動が主でしたが、暴力や脅迫も用いられました。他の政党の青年部も同様の行為を行っており、暴力的な政党活動は「クボホザ」と呼ばれていました。

ジェノサイド発生初期には、インテラハムウェと他の民兵グループとの連携は一定ではありませんでしたが、1994年4月12日以降は、ほぼ全ての民兵組織がツチの殺戮に加担しました。しかし、ルワンダ大虐殺から時間が経過した後も、ジェノシデールの多くがインテラハムウェであったという誤った認識が広まっています。実際には、ジェノシデールの約90%は普通の農民でした。ただし、インテラハムウェが地方の状況を変化させ、虐殺を主導したことも事実です。

その後

インテラハムウェは、RPFによってコンゴ民主共和国へ逃れました。旧ルワンダ政府軍（フツ軍）と共同で行動することが多く、両組織はルワンダ解放軍（ALIR）と総称されています。

インテラハムウェは、ルワンダ虐殺という悲劇において重要な役割を果たした組織であり、その活動は多くの人々に深い影響を与えました。彼らの行動は、ルワンダの歴史において決して忘れてはならない教訓として、語り継がれています。

関連作品

『ホテル・ルワンダ』2004年
『ルワンダの涙』2005年

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