インテリジェントパワーモジュール

インテリジェントパワーモジュール（IPM）について

インテリジェントパワーモジュール（IPM）は、電力制御に特化したパワーMOSFETや絶縁ゲートバイポーラトランジスタ（IGBT）といったパワーデバイスを駆動する回路や自己保護機能を内蔵した先進的な電力用半導体素子です。1990年に初めてこの技術が発表され、以来、多くの産業や製品で利用されてきました。

IPMの登場とその背景

IPMが登場する数年前、三洋電機は駆動回路を組み込んだパワートランジスタモジュールを開発し、実用化しました。これらのモジュールは、同社製品やダイキン工業製のエアコンで使用され、電力制御の効率化に貢献しました。IPMはそれらの技術をさらに発展させたものであり、特にドライブ回路や保護回路の設計の手間を大幅に軽減することができます。

IPMの利点

IPMの最も大きな利点の一つは、従来の単体素子に比べて最適な容量のモジュールを効果的に適用できるという点です。これにより、すべての部品を一枚の基板に集約でき、修理交換の作業が容易かつ確実に行えるようになります。この特性は、さまざまな産業機器での利用を可能にし、特にモーター制御や電気機器の効率化を推進しています。

自己保護機能

IPMは高い安全性を持ち、過熱、短絡、過電流、制御電源異常といった各種の保護機能を備えています。これにより、機器の信頼性が向上し、故障率が低下します。

主な用途

インテリジェントパワーモジュールは多様な用途に利用されており、その一部を以下に示します：

• - パワーコンディショナー
• - 無停電電源装置
• - 太陽光発電システム
• - 風力発電施設
• - モーター制御機器
• - 家電製品（洗濯機、掃除機、冷蔵庫など）
• - 電気自動車
• - エアコン
• - 鉄道車両、エレベーター
• - ACサーボ

このように、IPMは非常に多様な分野で活用されており、その利点はあらゆる産業において重要視されています。

主な製造メーカー

インテリジェントパワーモジュールは、多くの企業によって製造されています。主要なメーカーは以下の通りです：

• - 三菱電機
• - フェアチャイルドセミコンダクター
• - 富士電機
• - サンケン電気
• - オン・セミコンダクター（旧三洋半導体）
• - STマイクロエレクトロニクス
• - インターナショナル・レクティファイアー
• - LS Power Semitech（LS産電とインフィニオン・テクノロジーズとの合弁会社）
• - セミクロン
• - ローム
• - ヴィセド（Danfossが2017年に買収を発表）
• - インゲティム

これらの企業は、それぞれの技術とノウハウを活かして、さまざまなニーズに応える製品を供給しています。

まとめ

インテリジェントパワーモジュール（IPM）は、効率的な電力制御と安全性を実現する先進的な技術です。多様な用途に対応し、様々な場面で利用されるこの技術は、今後もさらに発展し続けることが期待されます。

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