サンケン電気

サンケン電気株式会社は、埼玉県新座市に本社を構える、日本を代表する電気機器メーカーです。特に電源関連の分野で高いシェアを誇り、新電元工業、オリジン電気と並び「電源3社」の一角を担っています。その中でもサンケン電気は、事業規模において中心的な役割を果たしています。

歴史

サンケン電気の歴史は、1937年に東邦電力によって設立された財団法人東邦産業研究所に遡ります。当初は電力技術の研究機関としてスタートしましたが、第二次世界大戦後の混乱期を経て、現在の形へと発展を遂げました。

1940年には埼玉県志木町（現在の志木市）に東京試験所を開設し、研究開発体制を強化しました。しかし、1942年に第二次電力国家管理と配電統制が実施されたことにより、東邦電力は解散。東邦産業研究所は、日本発送電や各配電会社への出資という形で解散を免れ、存続することになりました。

終戦後の1946年、東邦電力創設者の松永安左エ門の尽力により、東京試験所の土地は慶応義塾に寄付されることになりました。この際、半導体研究室の主任であった小谷銕治氏が技術者と設備を継承し、東邦産研電気株式会社を設立、これがサンケン電気の源流となります。翌1947年には、慶應義塾への土地・設備寄付が完了し、東邦産業研究所は解散。東京試験所跡地には、現在慶應義塾志木高等学校が建っています。

1952年、本社と工場を埼玉県大和田町（現在の新座市）に移転し、現在の事業基盤を築きました。その後、1961年に東京証券取引所2部に上場。1962年には社名を現在のサンケン電気株式会社に変更しました。1969年には大阪証券取引所2部にも上場を果たし、1970年には両取引所ともに1部指定替えとなりました。海外展開も積極的に進め、1973年には韓国の馬山市に韓国サンケンを設立（2021年に撤退）、1990年には米国企業の半導体部門を買収し、アレグロ マイクロシステムズ インクを設立するなど、グローバルな事業展開を進めてきました。

2004年には大阪証券取引所の上場を廃止し、2021年には社会システム事業をサンケン電設株式会社へ吸収分割。さらに、エフィッシモ・キャピタル・マネジメント傘下のファンドが株式公開買付けを実施するなど、経営体制にも大きな変化がありました。また、サンケン電設株式会社の全株式をGSユアサへ譲渡するなど、事業の選択と集中も進めています。

事業内容

サンケン電気は、以下の製品を主力としています。

IC（集積回路）
トランジスタ
サイリスタ
ダイオード
センサ
発光ダイオード（LED）
冷陰極管
スイッチング電源
無停電電源装置（UPS）
ACアダプタ
ノイズフィルター
インバータ
航空障害灯
直流電源装置

これらの製品は、産業機器、自動車、家電製品など、幅広い分野で活用されています。特に、電源関連の技術力には定評があり、高性能・高信頼性の製品を提供しています。

事業所

本社：埼玉県新座市

関連企業

石川サンケン
山形サンケン
鹿島サンケン
福島サンケン
Allegro MicroSystems Inc他

関連項目

電源3社（新電元工業、オリジン、サンケン電気）
SK KNIGHTs（サンケン電気を母体とするラグビーチーム。関東社会人リーグ2部に所属）

サンケン電気は、長年にわたり培ってきた技術力とグローバルなネットワークを活かし、今後も持続可能な社会の実現に貢献していくことが期待されます。

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