インディアナポリスグランプリ

インディアナポリスグランプリ(Indianapolis Grand Prix、インディアナポリスGP)は、世界最高峰の[オートバイ]]ロードレース選手権であるロードレース世界選手権]の一戦として、[[アメリカ合衆国インディアナ州のインディアナポリス・モーター・スピードウェイを舞台に、2008年から2015年まで開催された名門レースイベントです。

アメリカ合衆国では、それまでラグナ・セカサーキットでアメリカGPが開催されていましたが、インディアナポリスが新たな開催地として選ばれました。その理由の一つに、ラグナ・セカサーキットでは、カリフォルニア州の排ガス規制により2ストロークエンジンの使用が制限されていたことが挙げられます。この規制により、250ccクラスと125ccクラスのレース開催が不可能でしたが、インディアナポリス・モーター・スピードウェイでは、全クラスのレースが開催できる環境が整っていたのです。

インディアナポリスGPで使用されたコースは、インディアナポリス・モーター・スピードウェイのオーバルコースの一部と、新たに設けられたインフィールドセクションを組み合わせた特異なロードコースでした。これは、2000年から2007年まで同サーキットで開催されていたF1アメリカグランプリで使用されたコースと類似していますが、いくつかの重要な違いがありました。

最も大きな違いは、周回方向です。F1では時計回りでしたが、MotoGPではオーバルコースと同様に反時計回りを採用しました。また、F1コースでは使用されていたオーバルコースの第1コーナー（F1では最終コーナー）を使用せず、代わりに新たに設けられたインフィールドセクションの複合コーナーを使用しました。この変更により、MotoGPのレースでは、オーバルコースのバンク付きセクションを全く走行しないという特徴的なコースレイアウトとなりました。さらに、インフィールドセクションのバックストレート手前にあったダブルヘアピンカーブは、緩やかなS字コーナーに変更され、コースの特性が大きく変化しました。

開催初年度となった2008年は、ハリケーン・アイクの影響を受け、MotoGPクラスのレースは短縮され、250ccクラスのレースは中止という、天候に翻弄された大会となりました。このため、250ccクラスは事実上、2009年が最初で最後の開催となってしまいました。

インディアナポリスGPは2015年まで開催されましたが、翌2016年の開催も検討されました。しかしながら、様々な事情により開催に至らず、この歴史あるレースイベントは幕を閉じました。

インディアナポリスGPは、MotoGPカレンダーの中でも独特のコースレイアウトと、アメリカにおけるオートバイレースの歴史において重要な役割を担ったイベントでした。オーバルとインフィールドセクションを組み合わせたコースは、ライダーたちに高い技術と戦略を要求し、多くのドラマチックなレースを生み出しました。ハリケーンの影響を受けた初年度や、開催中止の決断など、その歴史は数々の出来事に彩られています。MotoGPファンにとって、インディアナポリスGPは、忘れがたいレースイベントとして記憶に残っていることでしょう。

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