インディアナ準州

インディアナ準州とは

インディアナ準州（Indiana Territory）は、アメリカ合衆国の歴史における重要な自治的領域として、1800年から1816年まで存在しました。この地域は、アメリカ合衆国議会の法律に基づき、1800年5月7日にジョン・アダムズ大統領によって創設され、同年の7月4日に正式に発効しました。この準州は1787年に設立された北西部領土から初めて分離した新しい領域でした。

初期の境界と構成

当初のインディアナ準州の境界は、グレート・マイアミ川の西側に位置していました。具体的には、インディアン湖の水源から西経83度45分の経線に沿って北へ延びる形で、現在のインディアナ州、イリノイ州、ウィスコンシン州の大半を含む広範囲にわたりました。さらに、ミネソタ州の一部も含まれており、ミシガン州ではアッパー半島とロウアー半島の西半分もインディアナ準州に属していました。オハイオ州の一部もこの準州に含まれていましたが、1803年にオハイオ州が州として成立する際に、その一部はオハイオ州に編入されました。このように、インディアナ準州は当初から多様な地域を含む重要な自治領域でした。

ルイジアナ領土の一部としての管理

1804年から1805年にかけて、インディアナ準州は一時的にルイジアナ領土の管理下に置かれました。これはインディアナ準州の知事や判事に権限が与えられ、新たなアメリカ政府の規則への適応が求められた時期を指します。ルイジアナ領土は1803年にアメリカ合衆国が買収した広大な地域で、インディアナ準州はそのアッパー・ルイジアナ地区に組み込まれました。この時期には、セントルイスで定期的に会合を設け、地域の統治に関する重要な決議がなされました。

セントルイス条約では、ソーク族とフォックス族が大きな地域をアメリカ合衆国政府に譲渡しましたが、これに対するインディアンの不満が高まり、米英戦争においては一部の部族がイギリス側に付く結果となりました。

奴隷制度とインディアナ準州

インディアナ準州では、北西部条例に従い奴隷制度が禁止されていました。この状況に対し、ウィリアム・ハリソン知事は、州内の奴隷制度の撤廃を試みるも、議会からの強い拒絶にあいました。ハリソンの提案に対する議会の反応は、「インディアナ準州は野蛮状態に逆戻りしている可能性がある」というものでした。このような背景から、州内の社会状況は複雑なものでした。

準州からの移行と州昇格

1805年と1809年には、インディアナ準州の領域がそれぞれミシガン準州とイリノイ準州の設立によって縮小しましたが、1816年に至って、インディアナの住民が州としての地位を得ることが認められました。この年の4月19日には権限付与法が施行され、インディアナはアメリカ合衆国の第19州として認可されました。初代知事はジョナサン・ジェニングズで、彼の下で新たな歴史が始まることとなりました。

最後に

インディアナ準州の設立とその後の経過は、アメリカ合衆国の初期の歴史を理解する上で欠かせない要素です。その地域の政治、文化的な背景が、後の州としての形成に大きな影響を与えました。

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