準州

準州とは

準州（じゅんしゅう、英: territory）は、州によって構成される連邦国家において、州に似た特別な構成主体や、本土に編入されていない自治的な地域を指します。これらの地域は州よりも自治権が制限されているため、「準州」と呼ばれていますが、その定義は国によって異なることがあります。

アメリカ合衆国における準州

アメリカ合衆国は、50の州と首都圏の特別区のみから構成される連邦です。州の外、及びコロンビア特別区を除く領土は、通常「territory」と呼ばれていますが、すべてが準州と見なされるわけではありません。現在は、数万から数百万人の住民を有する5つの準州が存在し、これらはそれぞれ独自のISO国名コードを持っています。具体的には、グアムや米領ヴァージン諸島などが頻繁に準州と呼ばれます。

これらの準州には、米領サモア、プエルトリコ、北マリアナ諸島などがあり、特定の法律に基づく自治を有しています。これらは「自治的領域」と呼ばれ、合衆国議会によって地域の自治法が制定されています。一方で、米領サモアは法的には非自治的領域であることから、準州とはみなされないこともあります。

さらに、アメリカ合衆国の準州のほとんどは未編入区域であり、合衆国憲法が完全には適用されません。これに対して、パルミラ環礁は唯一の編入領域として、合衆国憲法が完全に適用される特例です。

カナダにおける準州

カナダは、10の州と3つの準州（ノースウエスト準州、ユーコン準[[州]]、ヌナブト準[[州]]）で構成されています。カナダの準州は州とは異なり、連邦政府が立法や行政権を持っており、自治は非常に限られています。このため、準州の多くは連邦からの補助金に依存している場合が多いです。特にヌナブト準[[州]]はイヌイットの自治地域と見なされています。

オーストラリアの準州

オーストラリアでは、6つの州と北部準州、首都特別地域が存在します。北部準州はオーストラリア唯一の準州であり、人口密度が低く、地域の自治は限られています。以前、パプア準州や西オーストラリア準州なども存在しましたが、現在は独自の州として昇格したり、他の国に併合されたりしています。

その他の国々の準州

ブラジルは26州と4つの準州、スイス連邦は26の州から成り、そのうち6つはハーフカントンと呼ばれています。これらの国々でも、準州と州の役割や権限は異なります。

準州に関する共通の問題

一般に、準州は連邦の構成国ではないため、州に比べて多くの制限があります。たとえば、連邦議会に議員を送ることができず、大統領選挙の投票権もないなどの制約が存在します。ただし、近年では各国で準州に関する自治権の拡大を求める動きが見られ、特にプエルトリコでは州昇格に関する議論が続いています。

このように、準州は国ごとによってその性質や法律が異なりますが、共通して自治権の制限を受けている点が特徴です。

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