インディペンデント・ジャーナル

『インディペンデント・ジャーナル』は、1983年にピナコテカレコードの機関誌『アマルガム』の増刊号として産声を上げた、日本の不定期刊音楽雑誌です。この雑誌は、日本のインディーズ音楽シーンの動向を伝える重要な役割を果たしました。創刊当初はピナコテカレコードが発行主体でしたが、同レーベルの解散に伴い、2号以降はレーベル主宰者である佐藤隆史氏が個人で発行を引き継ぎました。

雑誌の大きな特徴は、自主制作レコードレーベルの運営者やバンド自身が寄稿するという形式を採用していたことです。これにより、商業的なメディアではなかなか取り上げられない、インディーズシーンの生の声を読者に届けることができました。また、流通面ではINDISC（インディペンデント・ディストリビューション）を通じてレコード店で販売され、音楽ファンにとって貴重な情報源となりました。

雑誌の編集体制は、編集長を佐藤隆史氏が務め、主要な編集者・ライターとして多くのレーベル運営者やバンド、アーティストが名を連ねています。以下にその一部を紹介します。

主要な編集者・ライター（レーベル運営者）

金野吉晃（第五列）
草深公秀（SELF・PLAN）
鎌田忠（DDレコーズ）
杜長純典（RBFレコード）
福井哲哉（覚醒派レコード）
及川洋（LSDレコード）
地引雄一（テレグラフ）
いえはらこうへい（クラゲイルレコード）
岸野一之（ZSFプロダクト）
及川禅（インナー・スペース・レコード）
sh（平川晋、ゼロレコード）

主要な編集者・ライター（バンド、アーティスト個人）

灰野敬二
ルナパーク・アンサンブル
すきすきスウィッチ
古館徹夫
少年ナイフ
須山公美子
町田町蔵

これらの寄稿者たちは、それぞれの活動を通じて培った独自の視点から、インディーズ音楽シーンの現状や問題点、今後の展望について深く掘り下げた記事を執筆しました。

雑誌の内容は、単なる音楽情報にとどまらず、社会や文化に関する批評的な視点も含まれており、読者にとって刺激的な読み物でした。また、インディーズシーンの多様な音楽性を網羅しており、特定のジャンルに偏ることなく、幅広い音楽ファンに支持されました。

『インディペンデント・ジャーナル』は、インディーズ音楽シーンの発展に大きく貢献した雑誌であり、その活動は後の日本の音楽シーンにも大きな影響を与えました。資料としては、アマルガム10号～14号やINDISCカタログが挙げられます。また、関連する項目としてはピナコテカレコード、佐藤隆史、日本のパンク・ロックなどがあります。

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