イントゥ・ザ・ワイルド

イントゥ・ザ・ワイルド (Into the Wild)

『イントゥ・ザ・ワイルド』は、2007年に公開されたアメリカの映画で、監督はショーン・ペンが務めています。本作は、ジョン・クラカワーのノンフィクション作品『荒野へ』を基にしています。この本は1992年に発生した、アラスカで発見された青年の悲劇的な死を描いています。映画は、物質的な生活に疑問を持つ青年が追い求める自由と真理をテーマにしています。

あらすじ

物語は、裕福な家庭に育ったクリス・マッキャンドレスが主人公です。エモリー大学を優秀な成績で卒業した彼は、両親の期待に反し、ハーバードロースクールへの進学を拒否します。幼少期から見せつけられた両親の不和と物質的な価値観に嫌気が差していたクリスは、学資預金を全額寄付し、真実を探す旅へと出発します。彼は新たな名を名乗り、「アレグザンダー・スーパートランプ」としてヒッチハイクで様々な人々と出会い、経験を積んでいきます。

旅の中で、クリスはヒッピーの夫婦と知り合い、穀物倉庫で働いたり、川を下ってメキシコへ向かうなど、自由気ままに生活します。彼は再びアメリカに戻り、ヒッピーの夫婦や歌を歌う少女と再会し、絆を深めます。そんなある日、クリスはロン・フランツという老紳士と運命的な出会いを果たします。ロンは孤独な生活を送りながら、革を彫る仕事をしています。彼はクリスに養子にならないかと提案し、アラスカから帰った後に話し合おうと約束します。

アラスカに向かうクリスは、発見した廃バスを拠点に生活を始めます。日記をつけながら、文学作品を読み、自己探求に没頭します。しかし、次第に食料が尽きていくことに悩まされ始めます。ヘラジカを撃つものの、食料は虫に感染してしまい、次第に体力が奪われていきます。クリスはアラスカで過ごす日々が100日を超え、食料を求めて野草を食べるが、毒性のあるものもあり、苦しむことになります。彼は「幸福は誰かと分かち合うことで現実となる」と言葉を残し、最終的にバスの中で息絶えてしまいます。

キャストとスタッフ

映画に出演するキャストは、エミール・ハーシュがクリスを演じ、ロン・フランツ役にはジェナ・マローン、ヒッピーの夫婦はヴィクター・シェイファーとキャサリン・ハーリッジが演じています。

制作陣には、ショーン・ペン監督の他、アート・リンソンやビル・ポーラッドがプロデューサーとして参加し、脚本もショーン・ペンが手がけました。撮影はエリック・ゴーティエが担当し、音楽にはマイケル・ブルック、カーキ・キング、エディ・ヴェダーが名を連ねています。

主な受賞歴

本作は第80回アカデミー賞で助演男優賞と編集賞にノミネートされ、ゴールデングローブ賞では歌曲賞を受賞しました。また、ゴッサム賞では作品賞を受賞し、パームスプリングス国際映画祭では監督賞を受賞するなど、高く評価されました。

最後に

『イントゥ・ザ・ワイルド』は、自由、孤独、そして人との絆を深く考えさせる映画です。クリスの旅からは、現代社会に生きる私たちへの多くの教訓が得られるでしょう。

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