インドの国会

インドの議会は、インド連邦共和国の立法府として、大統領と二院制の議会（上院と下院）から構成されています。インド憲法第79条にその根拠があり、インドの民主主義を支える重要な機関です。

大統領:
インド大統領は、国家元首であり、議会の承認を経て法案を公布するなど、立法過程において重要な役割を担います。大統領は、通常は象徴的な役割ですが、憲法上、特別な権限も保有しています。

ラージヤ・サバー（上院、国家評議会）:
ラージヤ・サバーは、各州とテリトリーから選出された代表者で構成される、250議席の上院です。12人のメンバーは、大統領が任命する著名な人物であり、残りのメンバーは、各州の州議会から選出されます。上院議員の任期は6年で、3年ごとに1/3が改選されます。ラージヤ・サバーは、財政法案を除く全ての法案について審議権を有し、上院での承認は法案成立の必須条件です。また、大統領の弾劾裁判も行います。上院は、より長期的な視点を取り入れ、政策の安定性と継続性を確保する役割を担います。

ローク・サバー（下院、代議院）:
ローク・サバーは、国民の代表者で構成される、552議席の下院です。議員の任期は5年で、直接選挙によって選出されます。ローク・サバーは、政府の信任投票や不信任決議を行うなど、政府に対する強い影響力を持っています。また、全ての法案の審議権を有し、財政法案はローク・サバーで最初に提出されなければなりません。ローク・サバーは、国民の意思を反映し、政府への責任を問う役割を果たします。

議会の立法プロセス:
法案は、政府または個々の議員によって提出され、両院で審議されます。両院で承認された法案は大統領に送られ、大統領の署名によって法律となります。両院の間で意見が一致しない場合は、合同会議が開催されることがあります。

議会の機能と役割:
インド議会は、立法機能に加えて、政府の監視、予算の承認、政策立案など、多様な役割を担っています。国民の代表機関として、国民の意思を反映し、政府に対するチェック機能を果たしています。また、憲法改正や大統領弾劾など、重要な国家的事項についても審議します。

まとめ:
インド議会は、大統領と上下両院からなる複雑なシステムであり、インドの民主主義を支える重要な機関です。各議院の構成や権限、立法プロセスを理解することで、インドの政治システムへの理解が深まります。インドの民主主義の根幹をなすこのシステムは、多様な意見を反映し、国民の意思を反映するために設計されています。その機能と役割は、インドの政治的安定と発展に不可欠です。

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