ラージヤ・サバー

ラージヤ・サバー（Rajya Sabha）とは

ラージヤ・サバー（ヒンディー語: राज्य सभा、英語: Rajya Sabha、通称：Council of States）は、インドの連邦議会における上院です。下院に相当するローク・サバー（Lok Sabha）とともに、両院制を構成しています。

概要

設置年: 1950年
任期: 6年。ただし、解散はなく、2年ごとに議員の3分の1が改選されます（憲法第83条第1項）。
定数: 245
選挙制度（憲法第80条第1項）:
233人: 各州および連邦直轄領の議会議員による、単記移譲式投票での間接選挙によって選出されます。
12人: 文学、科学、芸術、社会事業の分野における専門家を大統領が指名します。
選挙権: 各州選出議員は、州議会議員が選挙します（憲法第80条第4項）。連邦直轄領選出議員は、国会が制定する法律に従い選挙を行います（同条第5項）。
被選挙権: 30歳以上のインド市民でなければなりません（憲法第84条a号・b号）。さらに、立候補する州のいずれかの国会選挙区における有権者である必要があります。ただし、以下のいずれかに該当する者は被選挙権を剥奪されます（憲法第101条、第102条）。
1. ローク・サバー（下院）議員、または州議会議員
2. ラージヤ・サバー（上院）の許可なく、60日間上院の会議を欠席した者
3. 大臣以外の報酬を伴う職にある者
4. 心神耗弱者
5. 破産者
6. 自らの意思で外国の市民権を取得した者

ラージヤ・サバーの権限

上院には、以下のような専権事項があります。

州管轄事項に関する国会立法の宣言権: 州管轄事項表（憲法第7附則第Ⅱ表）に記載された事項について、出席・投票する上院議員の3分の2の決議により、国家の利益のために国会が法律を制定することが必要または有利であると宣言できます（憲法第249条第1項）。この決議が可決されると、国会はその事項について1年間の時限立法を行うことができます（同条第2項）。
全インド役務に関する上院の宣言権: 全インド役務の創設とその服務条件について、出席・投票する上院議員の3分の2の決議により、国家の利益のために国会が法律を制定することが必要または有利であると宣言できます（憲法第312条第1項）。

さらに、上院は下院と同等の権限も有しています。

金銭法律案以外の法律案: 両院のいずれからでも先議できます（憲法第107条第1項）。
憲法改正法律案: 両院のいずれからでも発案できます。憲法改正は、両議院それぞれで(1) 総議員の過半数、(2) 出席・投票する議員の3分の2の双方の条件を満たして法律案が可決され、大統領が認証した場合に成立します。ただし、大統領選挙や国会における州代表に関する事項などを改正する場合には、両院での可決後、2分の1以上の州議会の承認が必要です（憲法第368条第2項）。

議席数

2020年3月30日現在、定数は245議席です。

まとめ

ラージヤ・サバーは、インドの連邦議会における重要な役割を担う上院です。州の代表と専門家によって構成され、特定の分野における立法権や、下院と同等の権限を持っています。また、憲法改正においても重要な役割を果たしています。

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