インドシナ共産党

インドシナ共産党の概要

インドシナ共産党（Đông Dương Cộng sản Đảng）は、フランス領インドシナにおいて1929年に設立された共産主義政党である。この政党は、ベトナム青年革命同志会から脱退した急進派によって組織された。

歴史的背景

インドシナ地域では、アンナン共産党やインドシナ共産主義者連盟など、いくつかの共産主義団体が次々と設立されていたが、これらの団体は統一が欠け、互いに競合し合う複雑な状況にあった。1920年代末、グエン・アイ・クオック（後のホー・チ・ミン）が香港において両党の代表を招集し、1930年2月3日にはインドシナ共産党とアンナン共産党が合併や統合を経て「ベトナム共産党」を結成するに至った。これは、コミンテルンとは無関係にグエンが主導した活動であった。

しかし、その後チャン・フーが党名を「インドシナ共産党」に変更し、ソビエト連邦からの帰国後、歴史的にはコミンテルンの方針に従った政治路線の確立を目指す展開を見せた。これにより、グエンの方針が排除されていくことになる。

二つのインドシナ共産党

同じ名称を持つ政党が歴史上存在したため、注意が必要である。1929年に設立されたインドシナ共産党と、1930年にグエン・アイ・クオックによって結成されたベトナム共産党の二つが、異なる背景と動機を持って活動していた。

終焉と新たな展開

1945年11月、インドシナ共産党はベトナム独立同盟会（ベトミン）に合流し、正式に「解散」を宣言した。公開された政治活動を止め、代わりにインドシナ・マルクス主義研究会を設立し、理論的な研究に専念する方針に転換した。

その後1951年2月の第2回党大会では、党名が「ベトナム労働党」に改称され、党の存在が公に認められることになった。この変化は、インドシナ共産党の歴史の中で重要なターニングポイントであり、後のベトナムにおける共産主義の拡大を促進する役割を果たすこととなった。

参考文献

• - 白石昌也『ベトナム―革命と建設のはざま』東京大学出版会、1993年 ISBN 9784130330657

このように、インドシナ共産党はただの歴史的組織ではなく、ベトナムの共産主義運動の発展に大きな影響を与えた重要な政党である。

もう一度検索