コミンテルン

コミンテルン

概要

コミンテルン（正式名称：共産主義インターナショナル）は、1919年から1943年まで存在した国際的な共産主義運動の中心的な組織です。これは、世界各地の共産党の連携を促進し、資本主義に対抗するために設立されました。コミンテルンは、別名「第三インターナショナル」や「第三インター」としても知られ、革命思想と戦略を広める役割を果たしました。

設立の背景

コミンテルンが設立された背景には、第一次世界大戦の影響があります。この戦争によって、社会民主主義政党が国際主義を放棄し、反戦派と革命派が分裂した結果、連帯感が失われました。1915年にスイスで開催されたツィンメルワルト会議は、国際的な社会主義者の結束を目的としていましたが、この会議に集まった社会主義者たちは意見がまとまらなかったため、新たな組織の設立が必要だとされました。1919年3月、ロシア共産党の呼びかけに応じて、モスクワに19の組織が集まり、コミンテルンが誕生しました。

初期の活動

コミンテルン設立当初は、世界革命を目指す組織として、各国の革命運動へ支援を行いました。しかし、レーニンの死後、スターリンが一国社会主義論を採用すると、組織の方針は中央集権的なものに変わりました。各国の共産党はソ連の外交政策を支持するよう求められ、社会民主主義者に対しては厳しい姿勢をとるようになりました。1928年の第6回大会では、社会ファシズム論が提唱され、ファシズムと社会民主主義の関係が強調されました。

人民戦線戦術

1935年の第7回大会では、反ファシズムを最優先課題とし、様々な政治勢力との協調を進める人民戦線戦術が採用されました。この方針は、スペインやフランスでの人民戦線政府の誕生に繋がりましたが、スペイン内戦ではフランコ政権に対抗する過程で困難を強いられました。その後、独ソ不可侵条約の成立により、人民戦線戦術は放棄されることとなります。

解散の経緯

第二次世界大戦が勃発する中、ソ連は連合国に参加し、コミンテルンの存在意義は次第に薄れていきました。1943年5月、コミンテルンは正式に解散しました。この解散は、国際共産主義運動の変化を象徴するものであり、冷戦時代の幕開けともなりました。コミンテルンは、国際共産主義の理論の発展と実践において重要な役割を果たしましたが、その後の歴史的変化により一つの時代が終焉を迎えました。

日本共産党との関係

1922年には日本共産党がコミンテルンに加盟し、その影響を受けながら活動を展開しました。この関係性は、日本における共産主義運動にも多大な影響を与えました。コミンテルンのテーゼや方針は、日本共産党の活動の指針となり、その後の国内外の政治情勢に対応した運動を展開するための基盤となりました。

結論

コミンテルンは、20世紀初頭の国際共産主義運動において欠かせない組織であり、その影響は今日の政治思想や運動にも色濃く残っています。国際的な視点から共産主義を深化させ、各国の状況に応じた戦略を模索しながら、長い歴史を持つといえます。

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