インドネシア・ラヤ (新聞)

インドネシア・ラヤの軌跡

『インドネシア・ラヤ』は1949年、モフタル・ルビスなどによって設立されたインドネシアの新聞です。設立から廃刊までの過程は、インドネシアにおける言論の自由の闘いの象徴であり、同時に政府との摩擦を物語っています。

設立と初期の活動

設立当初、同紙は軍の情報部から不定期に資金提供を受けていましたが、それとは対照的に、報道の自由を尊重し、政府を「第一の敵」と位置づける姿勢を持っていました。この立場は、政府の政策に対する批判を強める要因となりました。1956年には発行部数が40,000部に達しましたが、翌1957年からは発行禁止措置を複数回受けることになります。

発行禁止と投獄

1958年10月、ついに『インドネシア・ラヤ』は発禁にされ、モフタル・ルビスは投獄され、長い間休刊状態に入りました。しかし、1968年に新秩序政権の下で再び発行が許可され、再び活動を開始しました。この復活後、元スタッフや役員が再び集められ、報道が再開されました。

腐敗の暴露と報道内容

1969年からは、プルタミナという国営石油公社に関する腐敗について多くの報道が行われました。この報道は、他の新聞に支持される一方で、一部からは批判を受けました。特に、プルタミナとの利害関係の対立を指摘され、同紙が恫喝やゆすりを試みているとの見方もありました。1970年8月、報道を続けるか、深刻な反動を受けるかの選択を迫られる事態に陥りました。

タイ王国の学生蜂起報道とその影響

1973年には、タイ王国で発生した学生蜂起と、それに伴う政権の崩壊について報じました。この報道が後の「マラリ事件」の引き金となったとの指摘があります。ここからの流れは、『インドネシア・ラヤ』自身に影響をもたらすことになります。

最終的な発禁と廃刊

1974年、『インドネシア・ラヤ』は再び発行禁止となりました。発禁の一因には、プルタミナに関する腐敗の報道があったと言われています。モフタル・ルビスをはじめとした数名の記者が無実のまま投獄され、その他の記者たちもブラックリストに載せられました。結局、同紙は廃刊という運命を辿ることになりました。

結論

『インドネシア・ラヤ』は、その短い歴史の中でインドネシアの言論自由と政治的圧力との複雑な関係を浮き彫りにしており、今なお当時の出来事は多くの人々に語り継がれています。

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