インドラヴァルマン1世

インドラヴァルマン1世：チャンパ王国の国王

インドラヴァルマン1世（サンスクリット語: इन्द्रवर्मन् १, ラテン文字転写: Indravarman I, 生年不詳 - 801年）は、チャンパ王国の第5王朝において第3代国王として786年から801年まで統治した人物です。日本語では、『唐会要』に基づき「因」と表記されることもあります。

生い立ちと治世の背景

インドラヴァルマン1世は、サティヤヴァルマンの弟として生まれました。兄王の死後、その後を継いで王位に就きました。彼の時代、唐王朝は国内の混乱、特に朱泚による涇原の兵変の影響により南方の事情にあまり目を向けられない状況にありました。この政治的混乱の隙を突いて、インドラヴァルマン1世は安南都護府の管轄下にある地域に侵攻しました。

特に、彼は分裂していたチェンラ王国に対しても積極的に外征を行い、その領土を拡張しようとしました。彼の治世は、拡張主義に傾き、周辺国との緊張を生む時代でもありました。

外征と戦争

787年には、ジャワから来た賊によって彼の王都ヴィラプラ近くの寺院が攻撃され、宝物が奪われ、施設に通う戦士たちや奴婢が皆殺しにされる事態が発生します。これはインドラヴァルマン1世の治世における大きな痛手であり、彼はこの出来事によって国の防衛をより一層強化する必要に迫られました。

793年の10月には、中国の唐に対して朝貢をすることで国の名声を高め、犀牛を献上しました。これは林邑国（第4王朝）以来43年ぶりの出来事であり、彼自身が国際的な関係を重視していたことを示しています。

寺院の再建と文化

799年には、インドラヴァルマン1世はバドラディパティシュヴァラの寺院を再建するために、3つのカラン（寺院）を新たに建造します。これにより、彼の信仰が強く反映される形で、シャンカラ、ナーラーヤナ、インドラバドレーシュヴァラを祀る寺院が完成しました。これらの事業は、彼の時代における宗教的・文化的な重要性を象徴するものであり、地域社会における彼の影響を強めました。

死後の継承

インドラヴァルマン1世が801年に亡くなった後、王位は妹婿であるハリヴァルマン1世が継承しました。彼の治世は短かったものの、外征や文化の発展を通じてチャンパ王国において重要な時代を築きました。

彼の治世はチャンパ王国においた重要な出来事が数多く含まれており、歴史的にも大きな意味を持っています。特に、外部への侵攻や寺院の再建は、彼がどのように国家を統治したかを物語るものです。

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