インド門

インド門は、ニューデリーのラジパース通りに位置する壮大な慰霊碑であり、元々は全インド戦争記念碑として知られていました。この門は、第一次世界大戦や第三次アングロ・アフガン戦争などで戦死した、イギリス領インド陸軍の兵士7万人を追悼するために建てられました。

歴史

1914年から1921年の間に戦没した兵士たちの名前が刻まれており、その数は13,300人に上ります。この記念碑は、エドウィン・ラッチェンスによって設計され、ローマの凱旋門を思わせる壮大なデザインが特徴です。建設は、帝国戦争墓地委員会（I.W.G.C.）の事業の一環として1917年に始まり、1921年には礎石が敷設されました。式典では、当時のインド総督やコンノート公爵によって、戦没者の英雄的な功績と不屈の精神が讃えられました。1931年に記念碑が落成し、以後、デリーの重要な観光地として多くの人々が訪れています。

デザインと構造

インド門は、ラッチェンスが手掛けた多くの戦争記念碑の一つで、彼の「エレメンタル・モード」という建築様式が用いられています。高さ42メートルのこの門は、赤いバラトプル石で造られており、頂上には浅いドーム型のボウルがあります。インド門とその周辺の六角形の複合施設は、広大な面積を誇ります。

碑文と名誉

門の軒には「INDIA」という文字が刻まれ、その下には戦没者の名前が記されています。これらの名前は、デリー・メモリアルで確認できますが、セキュリティ上の理由から、記念碑での閲覧は制限されています。

天蓋

インド門から少し離れた場所には、6世紀のパビリオンを模した天蓋があります。この天蓋は、元々、イギリス皇帝ジョージ5世の像を覆っていました。しかし、インド独立後、像は撤去され、現在はスバス・チャンドラ・ボースの像が設置されています。

アマル・ジャワン・ジョティ

1971年のバングラデシュ独立戦争で戦死した兵士を追悼するために、インド門の下にはアマル・ジャワン・ジョティ（不滅戦士の炎）が設けられました。これは黒大理石の台座に、逆さのライフルと永遠の炎が組み合わさった構造物です。アマル・ジャワン・ジョティは、インドの無名戦士の墓として、24時間体制で警備されています。

国立戦争記念碑

2019年には、インド門の周辺に国立戦争記念碑が完成しました。この記念碑は、インドの戦没者全体を追悼する場所として、国家的な重要性を持っています。

現在の利用

インド門は、現在では、デリーで最も重要な観光名所の一つであり、毎晩ライトアップされます。共和国記念日には、首相がアマル・ジャワン・ジョティに敬意を表し、その後、共和国記念日のパレードが始まります。また、市民の集会場所としても利用されており、歴史的な抗議活動も行われてきました。

インド門は、過去の犠牲を記憶し、現代の社会活動を促す、重要な場所としての役割を担っています。

もう一度検索