インファント島

インファント島

インファント島（インファントとう）は、映画『モスラ』をはじめとする数多くの特撮作品に登場する架空の島であり、怪獣モスラの故郷として知られています。この島の設定は、太平洋の南洋諸島に位置しているとされ、モスラが生息する場所として描かれています。

概要

『モスラ』（1961年）が公開されて以来、インファント島は特撮映画の中で頻繁に登場しています。この島は特に1960年代の東宝特撮映画において多くの作品に登場し、南海の孤島として描かれることが多いです。映画の中でのこの島は、南の楽園という印象を持たれがちですが、しかし一方では文明から隔絶され、不思議な存在であることの象徴や、人間社会への批判を表す舞台でもあります。

関沢新一は、多くの東宝特撮映画の脚本を担当し、南の島のファンタジックで華やかなイメージが、自身の明るい性格と共鳴することを語っています。また、物語の展開には具体的な地名を避け、「南海の孤島」という漠然とした表現を用い、お伽話のような雰囲気を創り出すという意図がありました。

登場作品一覧

インファント島は、『モスラ』シリーズを含む様々な作品に登場しています。主な作品は次の通りです：

• - モスラ（1961年）
• - モスラ対ゴジラ（1964年）
• - 三大怪獣 地球最大の決戦（1964年）
• - ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘（1967年）
• - ゴジラvsモスラ（1992年）
• - モスラ（1996年）
• - モスラ2 海底の大決戦（1997年）
• - モスラ3 キングギドラ来襲（1998年）
• - ゴジラ FINAL WARS（2004年）

各作品におけるインファント島の描写

『モスラ』

本作では、インファント島はカロリン諸島の無人島として設定されており、周囲が放射能に汚染されているにもかかわらず島民たちが住んでいることが明らかになります。日本の商船員たちが嵐によって島を発見し、島の住民から「赤いジュース」を飲むことで放射能への耐性を得たというストーリーが展開されます。この赤いジュースは島の植物に由来しており、島の危険な環境を反映するものとなっています。昭和期の作品では、島の全体像は「マットアート」として表現され、リアルな雰囲気を醸し出しています。

昭和ゴジラシリーズ

『モスラ対ゴジラ』においては、島の環境が著しく悪化しており、小美人が唯一残った水源を「聖なる泉」と称しています。一方で、『三大怪獣 地球最大の決戦』ではインファント島が「平和の島」として新聞報道され、モスラに呼ばれる存在として描かれています。

現代シリーズ

『ゴジラvsモスラ』では、設定が変わり、インドネシア諸島に位置するリゾート開発中の小さな島として描かれます。異常気象による荒れ果てた森林が印象的です。平成モスラシリーズでは、エリアスという島民以外の存在が希薄ながらもその痕跡が伺えます。

独自の文化と神話

インファント島の住民はモスラを守護神として崇め、独自の伝承や神話を持っていました。彼らは歌や舞踊を通じて文化を継承し、神聖な儀式においてその伝統を守り続けています。また、言語の体系はポリネシア諸語の特徴を持つとされ、文化的な深みを持たせています。

モスラの故郷宣言

1996年、映画『モスラ』の公開を記念して、沖縄の竹富町が「モスラの故郷は竹富町の島」と宣言し、地域振興の一環として映画の世界観を活かしたイベントを行いました。実際の撮影は鹿児島の奄美大島で行われたものの、地域振興策としてそのアイディアが用いられたと言われています。

まとめ

インファント島は、モスラという怪獣を中心に多くの特撮映画に多彩な姿で登場しています。異なる時代や作品ごとにそのイメージや役割は変わるものの、南の孤島としての神秘と文化的な深みを持ち続けています。

もう一度検索