インポッシブル・プロジェクト

インポッシブル・プロジェクト

インポッシブル・プロジェクトは、元ポラロイド社のフィルム生産を受け継ぎ、新たなインスタントフィルムを開発するために設立されたオランダの企業です。このプロジェクトは2008年に始まったもので、ポラロイドのフィルム生産中止のニュースに触発された数人の専門家によって立ち上げられました。主な創業者は、フロリアン・キャプス博士、アンドレ・ボスマン、そしてマーワン・サバの三人です。

創設と背景

2008年2月、ポラロイド社はインスタントフィルムの生産を終了すると発表しました。それに対抗し、キャプス博士はポラロイド社に生産の継続を求めましたが、その応えは「不可能」とされました。しかし、彼はあきらめず、ポラロイドオランダ工場の工場長アンドレ・ボスマンと接触し、フィルム生産の継続に向けた計画を練り始めました。

同年6月、引退を控えたポラロイドオランダ工場の閉鎖イベントの際に、二人は意気投合。フィルム生産を続ける新たな企業の設立を決定しました。マーワン・サバも加わり、インポッシブル・プロジェクトが生まれました。この企業は、ポラロイド社から生産機材を購入し、実際にかつての工場の一部を借りることで操業を始めました。

製品の開発

インポッシブル・プロジェクトは当初から独自のフィルム製品を開発する必要がありました。ポラロイド時代のオリジナルな化学薬品は製造されておらず、新しいフィルムには航空支援が不可欠でした。2009年には、イルフォードとアグフア・ゲバルトが新フィルムの開発に協力し、同年10月には生産機材が再稼働しました。

2010年には、PX 100やPX 600といった新しいインスタントフィルムが次々とリリースされました。しかし、これらの新しいフィルムは、ポラロイド時代のものとは異なり、品質に関しては様々な課題がありました。たとえば、フィルムの色合いや現像の安定性に問題があることも報告されています。

ブランドの変遷

2017年、インポッシブル・プロジェクトはポラロイド社のブランド名と知的財産を取得し、同年9月には「ポラロイドオリジナルズ」と名称を変更しました。それから2020年3月には単に「ポラロイド」としてブランドを刷新しました。このように、インポッシブル・プロジェクトは歴史あるブランドの名称を復活させる努力を続けています。

日本法人と今後

日本法人であるIMPOSSIBLE TOKYO株式会社は、2010年に設立され、日本国内でインスタントフィルムの販売やプロジェクトを展開してきました。現在、同法人は清算され、登記記録は閉鎖されていますが、その道のりは日本のカメラ文化に多大な影響を与えました。

インポッシブル・プロジェクトの取り組みは、新たなインスタントフィルムの可能性を探求し続けています。その過程で、写真家たちは新しい技法やユニークな作品を創り出しています。これにより、これまでの経験や技術を生かしながら、インスタントフィルムの新たな未来を切り拓いているのです。

まとめ

インポッシブル・プロジェクトは、ポラロイド社のフィルム生産の終焉から始まり、新しい可能性を見出す旅を続ける企業です。今後の展開が楽しみです。

もう一度検索