インヴィンシブル (巡洋戦艦)

HMSインヴィンシブル：世界初の巡洋戦艦

HMSインヴィンシブルは、イギリス海軍が建造したインヴィンシブル級巡洋戦艦の1番艦であり、世界で初めて建造された巡洋戦艦です。その革新的な設計は、当時の海軍戦略に大きな影響を与えました。

艦歴

1905年度計画に基づき、アームストロング社で建造されたインヴィンシブルは、1908年に就役しました。第一次世界大戦が開戦すると、その卓越した戦闘能力を発揮し、数々の海戦に参加しました。

ヘルゴラント・バイト海戦

1914年8月28日、インヴィンシブルはヘルゴラント・バイト海戦に参加し、ドイツ海軍との交戦を経験しました。この海戦での活躍は、その後の戦歴を予感させるものでした。

フォークランド沖海戦

同じく1914年、インヴィンシブルは南大西洋に派遣され、巡洋戦艦インフレキシブルと共に、12月8日のフォークランド沖海戦でドイツ東洋艦隊を撃破する殊勲を挙げました。この海戦での勝利は、イギリス海軍にとって大きな戦略的意義を持ちました。

ダーダネルス海峡の戦い

1915年には、ダーダネルス海峡の戦いにも参加し、オスマン帝国との戦闘に加わりました。その後、グランド・フリートに編入され、更なる戦いに備えました。

ユトランド沖海戦

1916年5月31日、インヴィンシブルはホレース・フッド提督が座乗する第3巡洋戦艦戦隊の旗艦として、ユトランド沖海戦に参加しました。海戦の序盤は有利に展開していたものの、突然周囲の濛気が晴れ、インヴィンシブルは明るい空を背景にその艦影を露わにしてしまいました。その結果、約8600メートルという近距離にいたドイツ巡洋戦艦デアフリンガーからの砲撃を受け、主砲塔を貫通され、誘爆を引き起こしました。

悲劇的な最期

この誘爆により、インヴィンシブルは船体を真っ二つに разделен、轟沈しました。ホレース・フッド提督を含む1032名の乗組員のうち、わずか6名しか生き残ることができませんでした。この悲劇的な結末は、ユトランド沖海戦におけるイギリス海軍の苦戦を象徴するものとなりました。

現在

現在、インヴィンシブルの残骸は水深55メートルの海底に沈んでおり、Protection of Military Remains Act 1986により法的に保護されています。その残骸は、第一次世界大戦の激戦を今に伝える貴重な遺産となっています。

インヴィンシブルの生涯は、革新的な技術と勇猛な戦い、そして悲劇的な結末が入り混じったものでした。その名は、今もなお海戦史に深く刻まれています。

Maritimequest HMS Invincible Photo Gallery (includes two photographs of the ship's destruction at Jutland).

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