イーウェルネス

キムラヤからイーウェルネスへ: ヤマダ電機との統合と変遷

1955年に創業した株式会社キムラヤは、東京都新橋駅前に本店を構え、オーディオやパソコン、アパレル、医薬品など幅広い商品を取り扱うディスカウントストアとして首都圏を中心に展開していました。しかし、2004年には経営破綻し、民事再生法の適用を申請。その後、不動産ファンドとのスポンサー契約を経て、2005年には会社分割により株式会社キムラヤセレクトを設立。再建を果たします。

転機となったのは2007年。ヤマダ電機（現ヤマダホールディングス）がキムラヤセレクトの株式の大部分を譲り受け、同社のグループ会社となりました。これは、ヤマダ電機が都市型店舗「LABI」の新橋への出店を目的としていたとされています。

子会社化後、キムラヤは急速にヤマダ電機との統合を進めます。既存店舗の整理やヤマダポイントカードの導入、そして「キムラヤ」ブランドの店舗を「LABI」や「テックランド」といったヤマダ電機のブランドに転換するなど、変化は劇的でした。新橋本店は「LABI新橋デジタル館」として生まれ変わり、その後、家電製品を扱う「LABI新橋生活館」も新築オープン。2008年にはキムラヤの本社がLABI新橋生活館に移転し、その後ヤマダ電機の本社所在地である群馬県高崎市へと移転しました。

2008年までに、キムラヤはファッション関連商品の取り扱いを終了。その後も店舗の整理統合が続けられ、最終的にはドラッグストア業態に特化していきます。一方で、ECサイトを通じたインターネット通信販売事業にも力を入れており、家電製品や医薬品などを販売していました。

さらに、2015年には会社分割により株式会社ワイズセレクトに商号変更。2017年には美容・健康事業を担っていた株式会社プインプルを吸収合併し、2021年には現在の社名である株式会社イーウェルネスへと変更されました。しかし、2023年6月1日、株式会社イーウェルネスはヤマダ電機に吸収合併され、その歴史に幕を閉じました。

キムラヤ店舗の変遷とヤマダ電機との統合

ヤマダ電機による買収後、キムラヤの店舗は次々とヤマダ電機直営店へと転換していきました。旧新橋本店であったLABI新橋デジタル館も、2015年3月には近隣の店舗と統合し、ヤマダ電機による運営に移行しました。

キムラヤは、首都圏を中心に多くの店舗を展開していましたが、ヤマダ電機との統合に伴い多くの店舗が閉店、またはヤマダ電機のブランドに転換されました。主な閉店店舗には、町田PART2店、松山店、横浜西口店、博多ゲイツ店、渋谷東口店、新宿店、新橋銀座口店、町田PART1店、田町店、新橋烏森口店、モレラ岐阜店、神保町店（ヤマダモバイルへ転換）、吉祥寺店などがあります。現在、ドラッグストアとして営業を継続している店舗は、新橋日比谷口店、秋葉原店、神保町店などです。

事業内容と展開

キムラヤは当初、家電製品やアパレル、医薬品など幅広い商品を取り扱うディスカウントストアでしたが、ヤマダ電機との統合後、ドラッグストア事業と化粧品ブランド「プインプル化粧品」の製造販売、そしてECサイトを通じたインターネット通信販売に事業を集中させていました。

株式会社イーウェルネスの沿革

株式会社イーウェルネスは、キムラヤの再建とヤマダ電機との統合という波乱に満ちた歴史を歩んできた企業でした。民事再生法の適用申請から始まり、不動産ファンドとの協業、そしてヤマダ電機グループへの参入、事業内容の変遷、そして最終的な吸収合併という、その軌跡は、日本の小売業における企業買収と統合、そして時代の変化を象徴する事例と言えます。キムラヤのブランドは消滅しましたが、その一部の店舗は現在もドラッグストアとして営業を続け、かつてのキムラヤを知る人々にとって、懐かしい記憶を呼び起こしていることでしょう。

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