ウィグワム

ウィグワムの概要

ウィグワム（wigwam）は、主にアメリカインディアンの北東部や五大湖周辺の部族が用いた伝統的な住居形式で、ドーム型の形状が特徴です。この住居は、テントと異なり、内部にかまどが設けられ、火を使うことが可能です。

構造と材料

ウィグワムの構造は非常に特別で、強靭な木の枝をアーチ状に曲げて柱とし、その上に樹皮や布を重ねて覆います。また、住居の入り口には蓆を使用して、内部の温かさを保つ工夫もなされています。このような構造により、ウィグワムは組み立てが容易で、移動生活を送るインディアンたちが、必要に応じて簡単に建てられる住居として重宝されました。

生活様式と季節

北東部の森林地方に住むインディアンたちは、狩猟生活を通じてこのウィグワムを利用しました。普段はティーピーを使いながらの移動狩猟生活を行う平原部族とは異なり、秋が近づくとウィグワムの集落を建てて「冬の村」として安住の地とし、春の訪れを待ちました。特に、キカプー族は五大湖地域から南西部に移動した後も、ウィグワムに住む者が多く残っています。

儀式と文化

ウィグワムは単なる住居としての役割だけでなく、文化や儀式の重要な場でもあります。例えば、初潮を迎えた少女や月経中の女性のために小型のウィグワムが建てられることがあり、月経の終息を待つための特別な空間として機能します。オジブワ族やアパッチ族など、多くの部族では、ウィグワムが儀式の一環として今でも使用されており、ティーピーと並んで重要な位置を占めています。

他の地域における呼称

ウィグワムは地域によって異なる名称でも知られています。アメリカ南西部では「wickiup」または「wikiup」と呼ばれ、オジブワ語では「wiigiwaam」、西アパッチ語では「gowąh」、チリカワ・アパッチ語では「guughą」または「kuughą」と表現されるなど、多様な呼称があります。

参考文献

ウィグワムについての詳細は、Morris E. Oplerの著書『An Apache life-way: The economic, social, and religious institutions of the Chiricahua Indians』などで紹介されています。このような文献を通じて、ウィグワムの文化的重要性や歴史的背景を深く知ることができます。

関連項目

• - ティピー

ウィグワムは、アメリカインディアンの伝統文化を象徴する建物で、彼らの生活様式や価値観を理解するための貴重な手掛かりとなっています。

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