ウィザード (バンド)

ウィザード（Wizzard）は、1970年代前半に活躍したイギリスのロックバンドです。エレクトリック・ライト・オーケストラ（ELO）の初期メンバーであったロイ・ウッドが、自身の音楽性を追求するために結成しました。

バンドの概要

1972年、ロイ・ウッドはザ・ムーブ、そしてELOを脱退後、ウィザードを結成します。7〜8人編成の大所帯バンドで、奇抜なルックスとグラムロックの要素を取り入れた音楽性で注目を集めました。

ウィザードは、1973年に『ウィザード・ブリュウ』、1974年に『イントロデューシング・エディ・アンド・ザ・ファルコンズ』という2枚のオリジナルアルバムを発表しました。これらのアルバムは、ロイ・ウッドが当時やりたかった音楽スタイルを詰め込んだ作品であり、フィル・スペクターやビーチ・ボーイズへのオマージュを感じさせる、ポップでキャッチーな楽曲が特徴です。

ヒット曲の数々

ウィザードは、1972年から1974年の間に数多くのヒット曲をリリースしました。その中でも、「シー・マイ・ベイビー・ジャイヴ」と「Angel Fingers」は全英チャートで1位を獲得し、バンドの代表曲となりました。また、「I Wish It Could Be Christmas Everyday（毎日がクリスマス）」は、クリスマスの定番ソングとして親しまれ、1973年のリリース以降、何度もリバイバルヒットを記録しています。

短命に終わった活動

しかし、ウィザードの活動期間はわずか3年と短命でした。その背景には、ロイ・ウッドが複数のレコード会社と契約していたことによる活動の制約や、マネージメントを同じくするELOがアメリカでの活動を軌道に乗せ始めたことなど、様々な要因がありました。1975年、ウィザードは初の全米ツアー中に解散してしまいます。

ライブパフォーマンス

当時のライブを見た音楽評論家によると、ウィザードのライブは、ツインドラム、ロイ・ウッドのギター、そしてホーンセクションが一体となって、圧倒的な音の壁を再現していたと言います。そのサウンドは「まるで音の洪水のよう」と評され、アメリカでも高い評価を得ていました。

その後

ウィザード解散後、2000年には未発表音源集『メイン・ストリート』がリリースされました。このアルバムは、ウィザード名義の新作として発表され、ファンを喜ばせました。

メンバー

ロイ・ウッド：ボーカル/マルチプレイヤー
リック・プライス：ベース
マイク・バーニー：サクソフォーン/クラリネット/フルート
ニック・ペンテロウ：サクソフォーン/クラリネット/フルート
チャーリー・グリマ：ドラムス
キース・スマート：ドラムス
ボブ・ブレイディ：キーボード

ディスコグラフィ

ウィザード・ブリュウ (1973)
イントロデューシング・エディ・アンド・ザ・ファルコンズ (1974)
メイン・ストリート (2000)

ウィザードは、短い活動期間ながらも、グラムロックの隆盛期に独自の音楽性を確立し、数々のヒット曲を残しました。その音楽は、現在でも多くのファンに愛され続けています。

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