ウィジャ ビギニング 〜呪い襲い殺す〜

ウィジャ ビギニング 〜呪い襲い殺す〜

『ウィジャ ビギニング 〜呪い襲い殺す〜』は、2016年に公開されたホラー映画です。マイク・フラナガンが監督を務め、エリザベス・リーサーが主演を務めています。2014年に公開された『呪い襲い殺す』の前日譚にあたります。

あらすじ

舞台は1967年のロサンゼルス。アリス・ザンダーは、2人の娘を抱え、自宅で降霊術を行う霊媒師として生計を立てていました。しかし、その降霊術は実際にはインチキで、依頼人の心を癒すための単なる演出に過ぎませんでした。経済状況は厳しく、アリスは滞った請求書の山に頭を悩ませていました。

そんな中、アリスの娘ポーリーナは、新たな仕事道具としてウィジャボードを使うことを提案します。アリスがウィジャボードを購入すると、中には「墓場ではやらない」「1人ではやらない」「最後に『さよなら』と言う」という3つのルールが書かれた注意書きが入っていました。しかし、アリスはプランシェットを磁石で動くように改造し、1人で降霊術のテストをしてしまいます。

その頃、アリスのもう1人の娘ドリスは、アリスの質問に答えるように独り言を呟いていました。その晩、何かに呼ばれたドリスがウィジャボードに語りかけると、プランシェットは「やあ、友達」と文字を紡ぎ、ドリスは新しい友人ができたと喜びます。

ある日、アリス達が帰宅すると、自宅に銀行からの差し押さえ予告状が貼られており、一家は立ち退きの危機に瀕します。亡くなった父ロジャーに助けを求め、ウィジャボードを使ったドリスは、地下室の壁の中から現金の入った袋を発見します。現金を受け取ったアリスは、家族3人でウィジャボードを囲み降霊術を始めます。ドリスがパパと呼ぶ霊は、ロジャーとアリスしか知らない質問に正しく答え、3人が手を離した状態でもプランシェットを動かし始めます。アリスは、この霊が亡き夫であると確信し、彼と交信できることに喜びを感じ、インチキに頼らず人々を救えると意気込みます。

しかし、それから数日後、ドリスは体の不調を訴え始め、不気味な霊がドリスの中に入り込んでしまいます。ドリスの様子は日に日に変わり、遂には暴力的な態度を取るようになります。不安を募らせるポーリーナは、ドリスがポーランド語で書いたメモを発見し、学校のトム・ホーガン神父に助けを求めます。

ホーガン神父は、メモの内容から、アリス達が住んでいる家が、第二次世界大戦中に人体実験を行っていた医者の家であることを知ります。実験室である秘密の地下室では、多くの被験者が監禁され、亡くなった後にはその魂が得体の知れない何かに乗っ取られていったというのです。ホーガン神父は、ドリスが行っているのは降霊術ではないと判断し、アリスとポーリーナにその事を打ち明けます。

事態を重く見たホーガン神父は事前に大司教区へ連絡してきたことを明かすが、ポーリーナはこの家に居続けることの危険性に気付きます。その頃、1人になったドリスはポーリーナを訪ねてきたマイキーを殺害してしまいます。マイキーの死体を発見した3人は、地下室から聞こえてくる不気味な歌声に導かれ、地下室へ向かいます。そこで3人は焼却炉でウィジャボードを燃やしますが、その奥の壁には大量の死体が埋められていました。

ドリスを探すためホーガン神父が地下室にある秘密の部屋へと入ると、そこで悪霊に操られたドリスを発見します。ホーガン神父は秘密の部屋から出てくるが悪霊に操られており、アリスとポーリーナを殺害しようと襲い掛かりますが、なんとか正気を取り戻すと地下室の扉を閉めて2人を逃がし、後を追ってきた悪霊に殺されてしまいます。アリスとポーリーナは玄関から出ようとするが固く閉ざされており、悪霊はポーリーナに襲い掛かります。アリスが「自分を差し出す代わりに娘2人は解放してほしい」と懇願すると、悪霊はそれを拒否するも意識を失ったポーリーナを放って先にアリスを秘密の部屋へと引き摺っていき、彼女を台の上に横たえて拘束します。

意識を取り戻したポーリーナの前にはロジャーの霊がおり、彼からのメッセージによって「ドリスの口を縫い合わせれば事態は解決するのではないか」と思い至ります。ポーリーナは秘密の部屋で悪霊と対峙し、被験者に使われていた針と糸を手にするとドリスに馬乗りになり口を縫い始めます。悪霊は必死に抵抗するが、ポーリーナは最後までやり遂げることができました。拘束を解いたアリスはドリスの死を悲しみ、ポーリーナも傍らに寄り添ってくる。しかし、ポーリーナは悪霊によって操られており、アリスを刺し殺してしまった。

心を病んだポーリーナは母親を殺した精神異常者として施設へ入れられる。家族の死を受け入れられない彼女が降霊術でドリスに語り掛けると、いつしかドリスの姿をした悪霊が姿を現すようになっていた。

それから月日が経ち、老いたポーリーナのもとへ姪を騙る人物が訪ねてくる。

キャスト

アリス・ザンダー：エリザベス・リーサー
ポーリーナ・ザンダー：アナリース・バッソ / 老年期のポーリーナ：リン・シェイ
ドリス・ザンダー：ルールー・ウィルソン
トム・ホーガン神父：ヘンリー・トーマス

評価

本作は、批評家から高い評価を受けています。Rotten Tomatoesでは83%の支持率を獲得し、「シリーズの出来を向上させた驚くほど怖い作品」と評されています。

余談

時折、画面右上にフィルム映画で見られるフィルムロールの終わりを示す黒い円が表示されます。

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