ウィスキー・ア・ゴーゴー

ウイスキー・ア・ゴーゴーの概要

ウイスキー・ア・ゴーゴーは、アメリカの音楽シーンにおいて特別な地位を占めるナイトクラブで、カリフォルニア州ウェスト・ハリウッドのサンセット大通り8901番地に位置しています。このクラブは、1964年1月11日にエルマー・ヴァレンタインによって設立され、アメリカで初めて本格的なディスコとして広まりました。クラブの正式な名称は「Whisky a Go Go」であり、「Whiskey a Go Go」とは異なるため、その点を押さえておく必要があります。

設立の歴史

ウイスキー・ア・ゴーゴーは、元々銀行の建物を改装して作られました。当初は「パーティ」という名称のクラブが存在していましたが、長続きしませんでした。設立者であるヴァレンタインは、弁護士のセオドア・F・フライヤーや広報のシェリー・デイヴィスなどと協力し、このクラブを作り上げました。オープン当初、クラブは録音された音楽を流すディスコとして宣伝されましたが、実際にはジョニー・リバーズとそのバンドが演奏し、女性DJが檻の中でレコードを回すスタイルが話題を呼びました。

音楽と文化の中心地

ウイスキー・ア・ゴーゴーは、音楽文化に寄与する多くのアーティストにとって重要な場所となりました。1966年には、俳優やミュージシャンたちがこのクラブで演奏し始め、「ゴーゴーダンス」のスタイルが流行しました。このスタイルは、特に女性たちが檻の中で踊ることでも知られており、観客に新しい音楽体験を提供しました。その後、様々な音楽ジャンルのアーティストがこのクラブでパフォーマンスを行ったことで、ロックやパンクの先駆けとしても知られるようになりました。

影響を受けたアーティスト

この場所で活動を始めたアーティストには、ドアーズ、ラブ、バッファロー・スプリングフィールドなどがいます。ドアーズはここでのパフォーマンスによって人気を集め、「ジ・エンド」という曲が特に有名になりました。また、ジミ・ヘンドリックスやオーティス・レディングもここで公演し、多くの名盤のレコーディングが行われました。さらに、キンクスやザ・フー、レッド・ツェッペリンなどの多くのイギリスのバンドもウイスキー・ア・ゴーゴーでパフォーマンスを行っています。

パンク・ロックとその後

1970年代後半になると、このクラブはパンク・ロックの中心地として知られるようになります。ラモーンズやディクテイターズ、ブロンディ、エルヴィス・コステロなど、多くのバンドがここで演奏しました。しかし、1980年代に入るとパンクの流行が衰え、一時的に閉鎖を余儀なくされることになりました。

その後1986年に再開したあとは、内部を改装して新たなライブ空間を提供し、ガンズ・アンド・ローゼズやメタリカなど多くのハードロック・メタルバンドが登場しました。1990年代には、シアトルのグランジバンドたちがここでパフォーマンスを行い、クラブの存在は今なお音楽シーンに欠かせないものとなっています。

現代のウイスキー・ア・ゴーゴー

ウイスキー・ア・ゴーゴーは多様な音楽のパフォーマンスが行われる場として、現在も人気を集めています。過去の伝説的なアーティストたちの影響を受けながら、新世代のミュージシャンたちによって、その歴史はさらに続いています。音楽ファンにとっては、一度は訪れたい場所と言えるでしょう。

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