ウィスコンシン大学

ウィスコンシン大学について

ウィスコンシン大学（University of Wisconsin）は、1849年にアメリカ合衆国のウィスコンシン州に設立された公立の高等教育機関で、パブリック・アイビーとして知られる名門大学群の一つです。設立当初、大学は州都マディソンに設立され、その後、州内各都市にキャンパスを増設しました。1971年にはウィスコンシン州立大学と統合され、現在ではウィスコンシン大学システムとして、マディソン校とミルウォーキー校を含む13の大学や、多くの一般教養課程センターを運営しています。全体の学生数は約16万人、教職員数は3万2千人を超え、全米でも最大の規模を誇ります。

ウィスコンシン・アイディア

ウィスコンシン州では、高等教育を州民に平等に提供する義務が州政府にあると考えられています。これは「ウィスコンシン・アイディア」と呼ばれる教育哲学に基づいており、州内どこに住んでいても高等教育を受ける機会が与えられるべきだという思想から発展しました。この理念は、州民の教育水準を向上させ、それが結果的に産業や科学の進展、医療・福祉の向上につながるとの信念に根ざしています。ウィスコンシン・アイディアは1904年に提唱され、現在では多くの州で州立大学の運営に影響を与えています。

マディソン校の特徴

ウィスコンシン大学と言った場合、一般的にはマディソン校を指します。このキャンパスはミシガン大学アナーバー校などと並び、州立大学の中でもトップクラスの研究機関として知られています。連邦政府のデータによると、マディソン校は博士号取得者を多く輩出しており、全米で6位の座を占めています。また、体育会も非常に活発で、全米大学体育協会 (NCAA) のビッグ・テン・カンファレンスに所属し、アイスホッケーを含むいくつかの競技で全米チャンピオンのタイトルを獲得しています。

さらに、マディソン郊外には、大学の管轄するパイン・ブラフ天文台もあり、これは大学の研究および教育に利用されています。天文台には36インチ（91cm）反射望遠鏡があり、天文学の研究や観測機器のテストなどに使用されています。

主要な卒業生・関係者

ウィスコンシン大学では著名な卒業生や教員が多くいます。経済学者のマイロン・J・ゴードンや、中国史学者の江夏由樹、一橋大学名誉教授の加藤幸次などが著名です。また、政治家や実業家の卒業生も多く、元副大統領のディック・チェイニーなどもこの大学の卒業生です。多様な分野で活躍する人々を輩出していることが、ウィスコンシン大学の大きな特徴の一つと言えるでしょう。

ウィスコンシン大学はその歴史、教育理念、豊かな学問的伝統から、州だけでなく全米においても大きな影響を与え続けています。

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