ウィスコンシン準州

ウィスコンシン準州：アメリカ合衆国への道のり

ウィスコンシン準州は、1836年7月3日から1848年5月29日までの間、アメリカ合衆国に存在した自治的領域です。1836年4月20日にアメリカ合衆国議会で成立した法律によって定義され、7月3日に正式に発足しました。準州の最初の都はベルモントでしたが、1836年10月に現在の州都であるマディソンに移されました。

領域の変遷

ウィスコンシン準州は、現在のウィスコンシン州だけでなく、ミネソタ州、アイオワ州、そしてミズーリ川以東の両ダコタ州の一部を含む広大な領域を管轄していました。その大部分は、1783年にイギリスから割譲された北西部領土の一部でした。アイオワ州と両ダコタ州となった地域は、元々はルイジアナ買収によって獲得された領土の一部であり、1821年にミズーリ準州から分離され、1834年にはミシガン準州に編入されていました。

北西部領土は、オハイオ州の州昇格準備のために1800年にインディアナ準州として分割され、1809年にはイリノイ準州が分離されました。1818年にはイリノイ州が州に昇格するために、残りの地域がミシガン準州に編入されました。そして1836年、ミシガン州が州に昇格するのに伴い、ウィスコンシン準州が分離・成立しました。その後、1838年にはアイオワ準州が分離してウィスコンシン準州の領域は縮小し、現在のウィスコンシン州はウィスコンシン準州の大部分を占めています。残りの地域は、1849年にミネソタ準州に組み込まれました。

準州の歴史

アンドリュー・ジャクソン大統領は、ヘンリー・ドッジを初代知事に、ジョン・S・ホーナーを秘書官に任命しました。1836年10月25日には、ヘンリー・ドッジ知事の招集により、ラファイエット郡のベルモントで準州議会の最初の会議が開催されました。

しかし、準州の設立には時間的なずれが生じました。それは、アメリカ合衆国議会がミシガン州の州昇格請願を当初拒否したためです。ミシガン州は北西部条例の州昇格条件を満たしており、住民は1835年10月に憲法を承認し、自治政府による運営を開始していました。ミシガン州の州昇格が1837年1月26日に認められたことを受けて、ミシガン州から分離するウィスコンシン準州の創設も1836年7月までずれ込みました。

この時間的なずれによる行政の空白を避けるため、ミシガン準州の知事代行スチーブンス・T・メーソンは1835年8月25日に、「尻の委員会」として知られる「西部の」行政委員会選挙を行う旨を宣言しました。この委員会は1836年1月1日にグリーンベイで開催される予定でしたが、ミシガン州とオハイオ州との間で領土紛争（トレド戦争）が続いていたため、ジャクソン大統領は1835年8月15日にメーソンを更迭し、後任にジョン・S・ホーナーを任命しました。ホーナーは自身の宣言を1835年11月9日に発し、委員会を12月1日に招集しましたが、代議員に十分な時間的余裕を与えなかったため、混乱を招きました。結局、ホーナー自身も欠席し、委員会はほとんど何もできませんでした。トレド・ストリップを巡る紛争は、ミシガン州がアッパー半島を得ることで決着しました。

1848年5月29日、ウィスコンシン準州はアメリカ合衆国30番目の州として昇格し、その歴史に新たな章が刻まれました。

主要人物

ウィスコンシン準州知事

ヘンリー・ドッジ (1836-41, 1845-48)
ジェイムズ・デュアン・ドーティ (1841-44)
ナサニエル・P・トールマッジ (1844-45)

ウィスコンシン準州秘書官

ジョン・S・ホーナー (1836-37)
ウィリアム・B・スローター (1837-41)
フランシス・J・ダン (1841)
A・P・フィールド (1841-43)
ジョージ・ロジャース・クラーク・フロイド (1843-46)
ジョン・カトリン (1846-48)

アメリカ合衆国議会代表

ジョージ・ウォレス・ジョーンズ (1836-1838)
ジェイムズ・デュアン・ドーティ (1839-41)
ヘンリー・ドッジ (1841-45)
モーガン・ルイス・マーチン (1845-47)
ジョン・ハバード・トウィーディ (1847-48)
ヘンリー・ヘイスティングス・シブリー (1848-49)

関連事項

アメリカ合衆国の歴史 (1789-1849)

外部リンク

John S. Horner Biography
The Rump Council
An Act establishing the Territorial Government of Wisconsin
Toledo War information regarding Upper Peninsula of Michigan

もう一度検索