ウィズアプルーヴァル

ウィズアプルーヴァル：カナダ三冠馬の輝ける軌跡と、種牡馬としての成功

ウィズアプルーヴァルは、カナダで生まれ育ち、競走馬として、そして種牡馬として大きな成功を収めたサラブレッドです。1989年、2歳時にデビュー戦を勝利で飾り、勢いそのままに、カナダのクラシック三冠競走であるクイーンズプレート、プリンスオブウェールズステークス、ブリーダーズステークスを全て制覇するという偉業を達成しました。この快挙により、カナダ年度代表馬および最優秀3歳牡馬の栄冠に輝き、カナダ競馬史にその名を刻み込みました。

競走馬時代：輝かしい勝利の数々

2歳時には2戦2勝と無敗でシーズンを終え、3歳時にはカナダ三冠制覇という偉業を達成する一方、アメリカ遠征にも挑戦しました。アメリカでは、タンパベイダービーで2着、フラミンゴステークスで6着と、G1競走では苦戦を強いられるものの、カナダに戻ってからは、マリーンステークスとプレートトライアルステークスを連勝し、カナダ三冠への道を着実に歩んでいきました。

4歳時には、再びアメリカに挑戦。ピムリコスペシャルハンデキャップで9着と振るわなかったものの、ボーリンググリーンハンデキャップとタイダルハンデキャップを制覇するなど、活躍を見せました。しかし、ソードダンサーインビテーショナルハンデキャップでは惜しくも2着、アーリントンミリオン、ターフクラシック招待ステークス、ブリーダーズカップターフでも2着、3着と勝利には届かず、この年限りで競走馬を引退することとなりました。

種牡馬時代：北米から日本へ、その影響力

1991年からアメリカ合衆国のブルックデールファームで種牡馬としてのキャリアをスタートさせました。15年もの間、ブルックデールファームで繋養されたことで、その産駒は北米を中心に数多く輩出されました。その後、イギリスへと輸出され、2006年からはランウェイズスタッドで繋養されました。2010年に19歳でこの世を去りましたが、その血統は現代競馬にも受け継がれています。

ウィズアプルーヴァルの産駒は、日本にも輸入され、1994年にはウエスタンドリームが中央競馬で初勝利を挙げました。1998年にはエイシンキャメロンがデイリー杯3歳ステークスを制し、日本の重賞競走でも勝利を収めました。さらに、トーキンマン、ラスティングアプルーヴァル、エイシンキャメロンといった産駒たちは、自身も種牡馬として成功を収め、G1馬を輩出するなど、その血統の強さを示しました。トーキンマンからはベタートークナウ、ラスティングアプルーヴァルからはハニーライダーといった活躍馬が出ていることは特筆すべきでしょう。

血統と未来

ウィズアプルーヴァルの半弟にはタッチゴールド、いとこには翌年にカナダ三冠を制したイズヴェスティアがいます。この血統背景からも、ウィズアプルーヴァルの能力の高さが伺えます。競走馬としての華々しい活躍と、種牡馬として北米から日本まで広く影響を与えたその功績は、競馬史に長く記憶されるでしょう。ウィズアプルーヴァルの血統は、現在も世界中の競馬界にその影響を与え続けています。今後の活躍にも期待がかかります。

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