ウィマーンメーク宮殿

ウィマーンメーク宮殿について

ウィマーンメーク宮殿（ウィマーンメークきゅうでん）は、タイのバンコクにあるドゥシット区に位置する宮殿であり、ドゥシット宮殿の中心的な邸宅です。この宮殿は、美しい建築と歴史的な背景を持ち、観光名所として訪れる人々に愛されています。

宮殿の概要

ウィマーンメーク宮殿は、ドゥシット宮殿群の一部であり、周囲にはアナンタサマーコム宮殿やチットラダー宮殿など他の重要な建物も存在します。中心となる邸宅であるพระที่นั่งวิมานเมฆ（Vimanmek Mansion）は1900年に建設され、この建物はラーマ5世によってシーチャン島のチュタートゥット宮殿から部材を運び、再建されたものです。

竣工式は1901年に行われ、ラーマ5世はここに5年間住んでいました。その後も一時期は王室関係者の住居として使われていましたが、1932年には王室庁の倉庫として利用されるようになりました。

博物館としての再出発

1982年にシリキット王妃の要望により、ラーマ9世の勅令でウィマーンメーク宮殿は改装され、ラーマ5世に関する資料や文化的な品々を展示する博物館として公開されることになりました。1983年からはガイド付きツアーが開始され、多くの観光客が訪れるようになりました。この宮殿は、チーク材から成る世界最大の木造建築としても知られています。

建物の特徴

ウィマーンメーク宮殿のデザインは、タイの伝統的な様式と西洋のスタイルが融合しており、使用されている材料はすべてタイ産です。建物は、約30メートルの長さを持つ二つの翼が直角に連結し、全体の高さは約20メートルで、3階建ての構造をしています。しかし、王の居住空間は8角形の構造であり、4階建てになっています。

1階は煉瓦とセメントで造られていますが、それ以外の階はすべてチーク材で作られています。特筆すべきは、金属製の釘を使用せず、木材同士の組み合わせで建てられている点です。宮殿全体には81室が存在しますが、現在はそのうち31室を一般に公開しています。特に興味深いのは、王の寝室や謁見室、浴室であり、これらはラーマ5世の時代の雰囲気を色濃く残しています。また、浴室には当時としては革新的だった人力で水圧を加える方式の初めてのシャワーも設置されています。

現在の状況

ウィマーンメーク宮殿は、2017年末から修復工事が行われており、そのため現在は閲覧ができなくなっています。修復が完了次第、再び観光名所として多くの人々に親しまれることが期待されています。歴史的な意味を持つこの宮殿は、タイの文化遺産として重要な役割を果たしています。

ウィマーンメーク宮殿の美しい建築もさることながら、その歴史的背景や文化的価値が、今なお多くの人々を惹きつけてやまないのです。

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