ウィリアムズ・FW17

ウィリアムズFW17 (Williams FW17)

ウィリアムズFW17は、1995年のF1世界選手権に参戦するために設計されたフォーミュラ1カーです。このマシンは、著名なエンジニアであるパトリック・ヘッドとエイドリアン・ニューウェイが手掛けました。FW17は1995年シーズンの開幕戦から実戦に投入され、シーズンの中盤には改良型のFW17Bがデビューしました。

FW17の特徴

FW17は前年のサンマリノGPでの悲劇的な事故を受けて、レギュレーションが変更されたことに対応して設計されました。エンジンはルノー製のV10で、排気量は3,000ccに縮小されました。空力面では、先代のFW16とは対照的に、シャープで高いノーズが導入されたのが目を引くポイントです。また、ライバルであるベネトンと同様に、2点吊り下げ式のフロントウイングが搭載され、より洗練されたデザインが特徴となりました。

FW17は、ドライブシャフトを覆う翼状のアッパーアームを持ち続けた一方、リヤサスペンションは安定性を重視した構造が維持されました。具体的なスペックとして、シャーシ全長は4,150mm、ホイールベースは2,890mm、前トレッドは1,670mm、後トレッドは1,600mmという数値です。また、クラッチやブレーキキャリパー、ホイールは全てAP製で、タイヤにはグッドイヤーが使用されました。

FW17Bの進化

シーズン後半に向けて競争力を高めるため、FW17Bが第13戦ポルトガルGPから登場しました。FW17Bの最大の改良点は、リヤサスペンションの見直しで、これによりセッティングが容易になり、より扱いやすいマシンとなりました。新型のアッパーアームとドライブシャフトの組み合せにより、マシンの特性が大幅に改善されました。

さらにFW17Bには、よりパワフルなCスペックエンジンが搭載され、エンジン性能も向上しました。しかし、チーム全体の戦略やドライバーのミス、駆動系の信頼性問題が影響し、結局ライバルチームのベネトンにシーズンタイトルを奪われる結果となりました。

エイドリアン・ニューウェイは、FW17について「非常に良いマシンだったが、セットアップが少し難しかった」とコメントしており、特に油圧システムに改善点があることを指摘しています。ただし、横置きトランスミッションのデザインには満足しており、この部分は成功であると感じているようです。

成績と記録

1995年シーズンにおいて、FW17は年間5勝、12回のポールポジションを達成しました。チームとしてはコンストラクターズランキングで2位、ドライバーズランキングではデイモン・ヒルが4勝と7回のポールポジションで2位、デビッド・クルサードが1勝と5回のポールポジションで3位に入る成功を収めました。FW17はその年のフォーミュラ1シーンにおいて重要な役割を果たしました。

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