グッドイヤー

グッドイヤー・タイヤ・アンド・ラバー・カンパニーの概要

グッドイヤー・タイヤ・アンド・ラバー・カンパニー（Goodyear Tire and Rubber Company）は、アメリカ合衆国に本社を置くゴムおよびタイヤ製造の大手企業です。1898年にフランク・セイバーリングによって設立され、以来、世界的なタイヤメーカーとして知られています。特に、世界最大のタイヤおよびゴム製品の製造会社の1つとして、日・ブリヂストンや仏・ミシュランとも競争しています。


本社はオハイオ州アクロンにあり、会社名は加硫ゴムの発明者であるチャールズ・グッドイヤーに由来していますが、彼とは直接の関係がありません。グッドイヤーは独特の飛行船ロゴで有名で、これは長い間、同社の航空部門によって使用されました。

歴史の足跡

グッドイヤーの歴史は、設立当初の13人の工員が自転車用タイヤや馬車用タイヤの生産に従事するところから始まりました。1898年に設立されたとき、資本金は100,000ドルでした。その後、1901年にセイバーリングが自ら考案した翼の付いた足のロゴマークが登場し、これによってブランドのアイデンティティが形成されました。


1917年には、自社製品の性能を証明するために、ウィングフット・エクスプレスを運行し、アクロンからボストンまでを24日間で走破する成功を収めています。また、1926年には世界最大のゴム会社としての地位を確立しました。


1986年には敵対的買収の試みを受け、これを防ぐために子会社を売却し、リストラを行うなどの対応をしました。その後、2021年には同業他社のクーパー・タイヤを買収し、さらなる成長を目指しています。

住友ゴム工業との提携

グッドイヤーは1999年に住友ゴム工業と資本提携を結び、その結果、北米および欧州市場ではグッドイヤーが製造・販売を行い、アジア市場では住友ゴム工業が担当するという形が取られました。これにより、日本ではグッドイヤーのブランドが強化され、多種多様な製品が供給されました。


しかし、2014年には提携解消の申し入れを行い、2015年に合意に至りました。この解消後、日本国内の製品製造については住友ゴムが引き続き行っています。

モータースポーツでの影響力

グッドイヤーはモータースポーツの分野でも影響力を持ち、特に「イーグル」ブランドで製品を供給しています。F1では1964年から参入し、368勝を挙げるという圧倒的な記録を持っています。1998年にはF1から撤退しましたが、その後もNASCARなどのレースでのタイヤ供給を続けています。


また、FIA世界耐久選手権にもタイヤ供給に関わり、2020年からはLMP2クラスのワンメイクタイヤサプライヤーにも選ばれました。日本国内では、86/BRZレース|86_BRZレースやヴィッツレース等に参加し、多くのレースファンにも親しまれています。

政治的なトラブル

2020年には、アメリカ合衆国の大統領選挙を背景に、グッドイヤーの工場従業員の作業服に記載されたスローガンが物議を醸しました。これは、民主党に寄った表現が許されている一方で、共和党寄りのフレーズが許可されていないと見なされたことから問題となりました。これに対し、トランプ大統領は不買運動を呼びかける事態に発展しました。


グッドイヤーはこの後、従業員に対して職場での政治活動を控えるように指示することになりました。こうした政治的な対立も、企業ブランドに影響を及ぼすことを示す一例と言えます。

結論

グッドイヤー・タイヤ・アンド・ラバー・カンパニーは、その豊かな歴史、モータースポーツへの積極的な関与、そして複雑なビジネスパートナーシップを持つ企業です。今後も世界中でその影響力やブランド力を維持し続けることでしょう。

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