ウィリアム・ゴードン (第6代ケンミュア子爵)

ウィリアム・ゴードン：悲劇のジャコバイト貴族

ウィリアム・ゴードン（1672年頃 - 1716年2月24日）は、第6代ケンミュア子爵であり、ロッキンヴァー卿でした。彼は1715年のジャコバイト蜂起に参加したことで知られ、捕虜となった後にタワー・ヒルで斬首刑に処されました。

生涯

ウィリアム・ゴードンは、第5代ケンミュア子爵アレクサンダー・ゴードンとマリオン・マックロックの息子として生まれました。父は1689年のジャコバイト蜂起で政府側につきましたが、ウィリアムは妻の影響を受け、1715年の蜂起ではジャコバイト側として参加しました。

マー伯爵からスコットランド南部のジャコバイト軍を率いる辞令を受けたケンミュア子爵は、ダンフリーズを奇襲する計画を立てました。しかし、住民が避難し防衛を固めたため失敗。ウィントン伯爵の援軍を得て南下するも、ダンフリーズの守りは堅く、ロックメイベン、エックレフェチャンへと転進しました。

各地で増援を得るも、軍勢はわずか300人。諦めかけたところへ、ノーサンバーランドでの蜂起の知らせが届きます。イングランドからの援軍との合流を目指す中、ハイランダーの援軍も南下しているとの情報を受け、合流を果たしました。10月24日にはジェームズ老僭王が国王即位を宣言し、連合法などに反対するマニフェストを発しました。この時点でケンミュア子爵の軍勢は1万4千人に膨れ上がりましたが、指揮官としての才能に欠けていた彼は、イングランドへの進軍を提案するもハイランダーに反対されます。スコットランド西部への進軍を試みるなど迷走した後、イングランド進軍が決定されたものの、政府軍が迫り、ハイランダーの脱走も相次ぎました。

その後、トマス・フォスターが指揮を引き継ぎましたが、11月14日のプレストンの戦いで敗北。ケンミュア子爵は捕虜となり、ロンドン塔に投獄されました。

1716年1月19日、貴族院での審議で彼は罪を認め、恩赦を求めましたが、認められず、2月24日にダーウェントウォーター伯爵の刑死直後にタワー・ヒルで斬首されました。

死後、妻メアリーは急ぎスコットランドへ向かい、ケンミュアの文書集を確保しました。友人の助けもあり、没収されたケンミュアの財産が売却された際に買い戻し、息子に引き継ぐことに成功しました。

家族

妻メアリー・ダルゼルとの間に3男1女をもうけました。

ロバート（1741年没） - 未婚、名目上の第7代ケンミュア子爵
ジョン - 名目上の第8代ケンミュア子爵。以降、ジョンの子孫が名目上のケンミュア子爵を継承し、1824年には議会がケンミュア子爵位の回復を議決しました。

ウィリアム・ゴードンの生涯は、ジャコバイトの悲劇を象徴するものとして記憶されています。

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