ウィリアム・フェッセンデン

ウィリアム・ピット・フェッセンデン

ウィリアム・ピット・フェッセンデン（William Pitt Fessenden, 1806年10月16日 - 1869年9月8日）は、19世紀のアメリカ合衆国において活躍した政治家であり、ホイッグ党およびその後の共和党に所属しました。彼は、連邦議会の上院議員と下院議員を合わせて10期、約20年間にわたって勤め、特に南北戦争の最中にはエイブラハム・リンカーン大統領の下で財務長官を務めました。

生涯

青年期

フェッセンデンは1806年にニューハンプシャー州ボスコーウェンで生まれました。父のサミュエル・フェッセンデンの影響を受け、地元の公立学校を経てメイン州のボウディン大学に進学。1827年に法学を学び、弁護士としての資格を得て父の下で職業を始めました。

政治の道へ

1832年、フェッセンデンはホイッグ党からメイン州の下院議員に選出され、1840年までの間に計4期を務めました。彼の政治活動は奴隷制度廃止のための立場を明確にし、1840年には連邦議会の下院議員に立候補し当選。しかしながら、1842年には再出馬の要請を断り、数年間地方政治にとどまりました。1852年に再び下院議員に立候補しましたが、ここでの選挙では敗退しました。

上院議員としての活動

1853年にはホイッグ党と反奴隷主義の民主党員から支持を受け、合衆国上院議員に選任されました。彼は上院議員として、カンザス・ネブラスカ法に反対する立場を取り、1854年のホイッグ党解党後には新設された共和党に参加しました。再選を果たした1860年には、上院財政委員会の議長を務めるなど、重要な役職を歴任しました。

財務長官としての貢献

南北戦争の激化する中、1864年にリンカーン大統領から財務長官に指名されました。その任命は、彼が財政問題において卓越した知識を持っていたためです。任期は7ヶ月と短いものの、フェッセンデンは戦時中の国家財政を安定させるための施策に力を注ぎました。しかし、健康状態が良好ではない中での重責に不安を覚えていました。1865年1月にはメイン州議会から上院議員に再選され、財務省の職務は次第に負担と感じ、翌月には辞任を申し出ました。3月には後任に引き継ぎ、財務長官を退いたのです。

晩年と死

フェッセンデンは、その後も政治活動を続けましたが、1869年にメイン州ポートランドで亡くなります。彼はウェスタン墓地に埋葬され、後に家族によってエヴァーグリーン墓地に改葬されました。彼の政治的影響力と財務長官としての功績は、アメリカの歴史において重要な位置を占めています。特に、南北戦争という危機的な状況下において果たした役割は、後の世代にも強く評価されています。

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