ニューハンプシャー州

ニューハンプシャー州

ニューハンプシャー州（英: State of New Hampshire）は、アメリカ合衆国の北東部、ニューイングランド地方に位置しています。この州の名前は、イングランド南部のハンプシャーに由来しています。南はマサチューセッツ州、西はバーモント州、東はメイン州と大西洋に接し、北はカナダのケベック州と国境を接しています。ニューハンプシャー州は、アメリカの50州の中で陸地面積では第46位、人口では第41位にランクされています。

1788年、ニューハンプシャー州はアメリカ合衆国憲法を批准した9番目の州であり、また独自の州憲法を持つ最初の州でもあります。この州は大統領選挙の予備選が最初に行われる場所としても知られています。州都はコンコード市、人口の多い都市はマンチェスター市です。特徴として、州レベルや地方レベルでは消費税や所得税が課されないことが挙げられます。

州の愛称である【花崗岩の州】は、広範に広がる花崗岩の層に由来しており、州のモットー「自由に生きる、もしくは死を（Live Free or Die）」は州の誇りを象徴しています。また、ニューハンプシャー州出身の著名人には、アメリカ合衆国建国の父の一人であるニコラス・ギルマンや詩人ロバート・フロストなどがいます。

歴史

ニューハンプシャー州の歴史は、ヨーロッパ人が入植する以前、アルゴンキン語族の部族が居住していたことに始まります。1600年代初頭、イングランド人やフランス人の探検家たちがこの地域に到達し、1623年にはダーバ―にイングランド人が入植を始めました。1776年にアメリカ独立戦争が始まると、ニューハンプシャー州も革命に加わり、1774年のウィリアム・アンド・メアリー砦襲撃では重要な役割を果たしました。

戦争が終わると、経済は海岸部の製材業や造船業を中心に発展し、19世紀には工業化が進展しました。1944年にはブレトン・ウッズで国際通貨金融会議が開催され、戦後の金融制度構築に影響を与えました。また、ニューハンプシャー州は大統領予備選が行われることにより、全国的に注目されるようになりました。

地理

ニューハンプシャー州は多様な地形を有し、北部や北西部はカナダのケベック州、東部はメイン州及び大西洋、南部はマサチューセッツ州と接しています。広範な森林やホワイト山地が広がる一方で、海岸線は約29kmと短い特徴があります。

主要な河川には、メリマック川やコネチカット川があり、州の自然環境は観光業にも貢献しています。ウィニペソーキー湖やハンプトンビーチなどは人気の観光地で、特に夏には多くの観光客が訪れます。

気候

ニューハンプシャー州は湿潤大陸性気候に属し、夏は暖かく湿度が高い一方で、冬は寒冷で降水量が多いです。年間の降水量はおおむね1000mmですが、北部や山岳地帯では特に雪が多くなります。気候の多様性は、地域への観光や農業にも大きな影響を与えています。

人口と経済

2020年の国勢調査データによると、ニューハンプシャー州の人口は約137万6千人で、地元の経済は高い教育水準や技術志向の産業を反映しています。観光業や製造業が主な経済の柱となっていますが、農業も重要です。特に乳製品やリンゴの生産が盛んです。

文化と芸術

州内には、スポーツチームや芸術団体も数多く、地域の文化充実にも寄与しています。特に、マンチェスターとナシュアでは活発な文化活動が展開されており、州の特性や歴史に基づくイベントやお祭りが多く行われます。

政治と法律

ニューハンプシャー州は特有の政治文化を持つ州であり、共和党や民主党の二大政党が主な役割を果たしています。州の知事は共和党のクリス・スヌヌで、州選出の上院議員には民主党のジーン・シャヒーンとマギー・ハッサンがいます。また、州はアルコールの取扱いに厳格で、無税という特徴もあります。

このように、ニューハンプシャー州は妥協点を見つけながら、多くの伝統や自然を大切にする州であり、その独自の文化と歴史は多くの人々に影響を与えています。

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