ウィリアム・マクマホン

サー・ウィリアム・マクマホン

サー・ウィリアム・マクマホン（Sir William McMahon）は、1908年2月23日にシドニーで生まれ、1988年3月31日に亡くなったオーストラリアの政治家です。彼は1971年から1972年までオーストラリアの首相を務め、またオーストラリア自由党の党首としても知られています。大臣としての在任期間は21年以上に及び、これはオーストラリアの歴史の中で最も長い記録となっています。

学歴と早期のキャリア

シドニー大学法学部を卒業した後、マクマホンは弁護士としてのキャリアをスタートさせました。第二次世界大戦中にはオーストラリア陸軍に兵役につき、最終的には少佐に昇進しました。戦後は大学に戻り、経済学の学位を取得します。1949年の総選挙では下院議員として初当選し、その後1951年にロバート・メンジーズ政権で閣外相に任命されました。

政治経歴

1956年には第一次産業相として初めて内閣入りを果たし、その後、1958年から1966年の間に労働・徴兵担当相を務めるなど、メンジーズ政権下で多くの重要な役職を歴任しました。特に労働・徴兵担当相としては、1964年に徴兵制の再導入を監督する役割を担いました。

1966年にメンジーズが引退する際、マクマホンは自由党の副党首となり、ホルト政権では財務大臣として国の借金の大幅削減に取り組みました。しかし、ホルトの失踪後の後任党首選では、地方党の反対により希望通りにはいかず、ジョン・ゴートンが党首に選出されます。

ゴートン政権でも引き続き財務大臣を務めましたが、1969年の自由党党首選で敗れた後、外務相に転任しました。その後、1971年にはゴートンを辞任に追い込む形で自由党党首と首相に就任しました。彼が首相に就任した時、63歳であり、これはオーストラリアの歴代首相の中でも最年長となりました。

首相としての政策

マクマホンの政権下では、ベトナム戦争からのオーストラリア軍の撤退など、前政権の政策が多く踏襲されましたが、2年目にはインフレと失業率の上昇に直面しました。1972年の総選挙では、ゴフ・ホイットラム党首の労働党が勝利し、彼は首相及び党首を辞任せざるを得ませんでした。これにより、23年間続いた保守連合の政権は終焉を迎えましたが、彼は1982年まで下院議員としての地位を維持しました。

評価

マクマホンに対する評価は分かれており、オーストラリアの政治学者や歴史家の中には「史上最低の首相の一人」と見る人も多く、同僚からも指導力や性格について厳しい批判が寄せられました。一方で、ウィットラムは彼を「有能で戦略的かつ粘り強い政治家」と称え、1972年の選挙では僅差で敗北を喫したことを高く評価しています。

結論

サー・ウィリアム・マクマホンは長きにわたる政治キャリアを通じて、オーストラリアの歴史に重要な足跡を残した政治家でしたが、その評価は今なお議論の的となっています。

もう一度検索