ウィンドワード海峡の海戦

ウィンドワード海峡の海戦（1760年）

ウィンドワード海峡の海戦は、七年戦争中の1760年10月17日から19日にかけて、カリブ海でイギリス艦隊とフランス艦隊の間で行われた海戦です。この海戦はイギリスの勝利に終わり、七年戦争におけるイギリスの優位性を確立する一因となりました。

戦いの経緯

1760年10月17日の夜明け、コニングスビー・ノーベリー艦長が率いる50門艦ハンプシャーを旗艦とするイギリス艦隊（他に28門フリゲートのボレアス、20門ポスト・シップのリヴリー）は、ウィンドワード海峡でフランスの護送船団を発見し、攻撃を開始しました。フランス側の護衛艦は、32門フリゲートのシレーヌ、デュ・ド・ショワズール、プリンス・エドワード、フルール・ド・リース、そして20門コルベットのバルールでした。

イギリス艦隊はフランス艦隊を追跡しましたが、風が弱く速度が出ませんでした。戦列の先頭を進んでいたボレアスは、シレーヌからの攻撃を受けました。砲撃により損害を受けたボレアスは、翌日の午後までシレーヌに再攻撃をかけることができませんでした。2回目の攻撃でボレアスはシレーヌを拿捕することに成功しました。シレーヌは死傷者80名を出す大損害を受けましたが、ボレアスの損害は戦死1名、負傷1名に留まりました。

翌日、リヴリーはオールを使ってフランス戦列の最後尾にいたバルールに追いつきました。バルールの乗員は160名、艦長はタルボットでした。リヴリーはキューバの東端でバルールを追い越し、90分間の戦闘の末にバルールを降伏させました。リヴリーの損害は戦死2名、負傷0名でしたが、バルールは戦死38名、負傷25名という大きな損害を受けました。

リヴリーとバルールの戦闘とほぼ同時刻、ハンプシャーはサン＝ドマング沖でデュボワ艦長が率いるフリゲートのプリンス・エドワードを追跡していました。追跡を逃れることができないと悟ったプリンス・エドワードの乗員180名は、船を炎上させ爆発させました。一方、ベレヴァン艦長が率いるデュ・ド・ショワズール（乗員180名）はポールドペに逃げ込みました。ディグアルティ艦長が率いるフルール・ド・リース（乗員190名）は、19日に風下の無防備な港で発見されました。ディグアルティはハンプシャーに拿捕されるのを防ぐため、自ら船を沈めました。

さらに、フランスの商船3隻（マリア、エリザベート、パーシュ）がイギリスによって拿捕されました。これらの商船のうち2隻は、砂糖とインディゴを積んでおり、前日にカプ＝フランセを出港したばかりでした。

事前に取り決められていた通り、ケンブリッジ、ボレアス、フサール、ヴァイパーの5隻は、拿捕した船から得られた戦利品を分け合いました。

海戦の結果と影響

ウィンドワード海峡の海戦は、イギリス艦隊の勝利に終わりました。この勝利により、イギリスはカリブ海における制海権を強化し、フランスの海上輸送に大きな打撃を与えることができました。また、七年戦争におけるイギリスの優位性を確立する上で重要な役割を果たしました。

関連項目

七年戦争下のイギリス
七年戦争下のフランス

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