ウィンドワード諸島 (西インド諸島)

ウィンドワード諸島：カリブ海の風上、多様な島々の連なり

ウィンドワード諸島は、カリブ海に浮かぶ小アンティル諸島の南部に位置する島々のグループです。北にはリーワード諸島が連なり、南には南アメリカ大陸が控えています。その名前は、この地域を特徴づける貿易風に由来しています。

名前の由来と範囲

英語で「ウィンドワード（windward）」とは「風上」を意味し、ウィンドワード諸島は「風上の島々」を指します。これは、この海域で東から西へと吹く貿易風の風上側に位置することに由来します。対義語は「風下」を意味する「リーワード（leeward）」であり、これに対応するリーワード諸島と対になっています。

大西洋を渡り、南北アメリカ大陸や西インド諸島へ向かう奴隷交易船は、最初にこれらの島々と出会いました。海流と貿易風が提供する最も速いルート上に位置するため、帆船が到着する付近を境として、「ウィンドワード諸島」と「リーワード諸島」という名前が付けられました。

英語以外の言語における「風上の島々」

ドイツ語、イタリア語、スペイン語、フランス語、オランダ語、ポルトガル語など、英語以外のヨーロッパの言語でも、小アンティル諸島を「風上の島々」と「風下の島々」に分けて呼ぶ名称が存在します。しかし、英語とこれらの言語では、「風上の島々」と「風下の島々」が指す範囲が異なる点に注意が必要です。

英語で「風上の島々」（ウィンドワード諸島）と呼ばれる島々のうち、南米大陸沖合に東西に連なる島々は、英語以外の言語では「風下の島々」と呼ばれることがあります。これらの島々は、「リーワード・アンティル諸島」として知られています。

興味深いことに、英称「リーワード諸島」に含まれるシント・マールテン島を拠点とする航空会社は、「ウィンドワード・アイランズ航空」という名前を使用しています。これは、シント・マールテン島が英語以外の言語では「風上の島々」に含まれるためです。

ウィンドワード諸島の島々

ウィンドワード諸島には、以下のような島々が北から南へほぼ一列に並んでいます。

ドミニカ国
マルティニーク（フランス領）
セントルシア
セントビンセント・グレナディーン
グレナダ

上記の島列の東には、以下の島々が北から並んでいます。

バルバドス
トリニダード・トバゴ

リーワード諸島を含めると、ドミニカ、バルバドス、トリニダード・トバゴを含めて6つの独立国が存在します。ただし、北部のグアドループ島やドミニカ島は、「ウィンドワード諸島」ではなく「リーワード諸島」に分類されることもあります。また、バルバドスとトリニダード・トバゴは、地理的にはウィンドワード諸島の島列から外れますが、しばしば関連付けられます。

まとめ

ウィンドワード諸島は、カリブ海の美しい自然と多様な文化が魅力の島々です。その名前の由来や、リーワード諸島との関係を理解することで、この地域の地理や歴史に対する理解が深まるでしょう。

関連項目

アンティル諸島
英領西インド諸島
イギリス領ウィンドワード諸島

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