ウィークエンドモーニングショー

ウィークエンドモーニングショー

『ウィークエンドモーニングショー』は、日本のテレビ史において、土曜日の朝に全国ネットで放送されたワイドショー・情報番組の先駆けとして位置づけられます。この番組は、毎日放送（MBS）が制作を担当し、主にNETテレビ（現在のテレビ朝日）系列局を通じて、昭和41年（1966年）4月2日から昭和44年（1969年）12月27日まで、約3年9ヶ月にわたって放送されました。毎週土曜日の午前8時30分から9時30分までの一時間枠で、視聴者に週末最初の情報と話題を提供しました。

番組の成り立ち

本番組は、当時平日朝に放送されていた人気番組『奈良和モーニングショー』の土曜版として企画されました。さらにそのルーツをたどると、元々は毎日放送が関西ローカル向けに放送していた『ウィークエンドショー』という番組を全国ネットに拡大・発展させる形でスタートしています。これは、大阪の放送局が制作する番組が全国的な時間帯に進出した例であり、在阪局が全国ネットのワイドショーを制作するという点でも特筆されます。

当時のテレビ放送において、土曜日の朝はまだ情報番組のジャンルが確立されていませんでした。そうした中で、『ウィークエンドモーニングショー』は、週末の始まりに家庭でくつろぐ視聴者を対象に、ニュース、時事問題、生活情報、文化、芸能など、多岐にわたるテーマを取り上げるワイドショー形式を導入しました。これにより、それまで十分ではなかった土曜朝の情報ニーズに応え、その後の同時間帯における番組編成の方向性を示す重要な役割を果たしたと言えます。

出演者

番組の進行は、個性豊かな司会陣とレギュラー出演者によって支えられました。メイン司会は、安定した進行で知られるベテランアナウンサーの八木治郎氏が担当しました。八木氏は、本番組の終了後も、後継番組である『八木治郎ショー』で引き続き司会を務めるなど、長きにわたり土曜朝の顔として親しまれました。

サブ司会は番組の放送期間中に数度交代しています。番組開始当初の昭和41年（1966年）3月までは、個性派女優として知られる浪花千栄子氏が務めました。その後、昭和42年（1967年）4月からは水谷百代氏が、そして番組終盤となる昭和43年（1968年）10月からは、当時人気歌手として活躍していた加藤登紀子氏がサブ司会を担当しました。司会陣がバトンを繋ぐ形で番組を盛り立てたことがうかがえます。

また、作家でありタレントとしても活躍していた永六輔氏も、コーナーレギュラーとして番組に出演しました。彼の視点やコメントは、番組に多様な話題と文化的な深みをもたらしたと考えられます。

番組の終焉

『ウィークエンドモーニングショー』は、昭和44年（1969年）12月27日の放送をもってその歴史に幕を閉じました。しかし、メイン司会の八木治郎氏を中心とした番組の精神と形式は、後継番組へと引き継がれ、土曜朝のワイドショーというジャンルはその後も発展を続けることになります。

この番組は、関西からの全国ネット発信という点、そしてまだ開拓期であった土曜朝の時間帯に情報番組の基礎を築いたという点で、日本のテレビ放送史におけるエポックメイキングな存在であったと言えるでしょう。視聴者に最新の情報を提供し、週末の始まりを彩る役割を果たした『ウィークエンドモーニングショー』は、当時の社会や文化を知る上でも貴重な番組でした。

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