ウィーン放送交響楽団

ウィーン放送交響楽団

ウィーン放送交響楽団（Radio-Symphonieorchester Wien）は、オーストリアの首都ウィーンを拠点とする、オーストリア放送協会（ORF）に所属する放送オーケストラです。1969年に設立され、当初は「オーストリア放送交響楽団」（ORF-Symphonieorchester）という名称でしたが、1996年に現在の名称に変更されました。このオーケストラは、ウィーンの音楽文化を代表する重要な存在として、国内外で高い評価を得ています。

幅広いレパートリーと活動

ウィーン放送交響楽団のレパートリーは、古典派音楽から現代音楽までと非常に幅広く、特に現代音楽の演奏に定評があります。ORF RadioKulturhaus（オーストリア放送文化会館）をはじめ、ウィーン・コンツェルトハウス、ムジークフェラインザールといったウィーンを代表するコンサートホールで定期的に演奏会を開催しています。また、アン・デア・ウィーン劇場でのオペラ公演にも年3回参加し、劇場音楽の分野でも重要な役割を果たしています。

録音活動と劇場音楽

録音活動は比較的少ないものの、ランベルト・ガルデッリ指揮による一連のオペラ全曲盤や、ヨハン・シュトラウスのバレエ『シンデレラ』の映画音楽など、劇場音楽関連の録音に特徴があります。また、ウィーン・ヨハン・シュトラウス管弦楽団のメンバーは、その大部分がウィーン放送交響楽団のメンバーで構成されており、ヴィリー・ボスコフスキー指揮のもと、EMIレーベルに数多くの録音を残しました。

ハリウッドinウィーン

毎年10月には、ウィーン・コンツェルトハウスで映画音楽をオーケストラが演奏する「ハリウッドinウィーン」というイベントを開催しています。このイベントでは、映画音楽の巨匠たちが自身の作品を指揮したり、演奏したりすることもあり、映画ファンや音楽ファンにとって見逃せないイベントとなっています。

歴代の首席指揮者

ウィーン放送交響楽団は、設立以来、多くの著名な指揮者を首席指揮者として迎えてきました。以下にその主な指揮者を列挙します。

ミラン・ホルヴァート （1969年 - 1975年）
レイフ・セーゲルスタム （1975年 - 1982年）
ローター・ツァグロセク （1982年 - 1986年）
ピンカス・スタインバーグ （1989年 - 1996年）
デニス・ラッセル・デイヴィス （1996年 - 2002年）
ベルトラン・ド・ビリー （2002年 - 2010年）
コルネリウス・マイスター （2010年 - 2019年）
マリン・オールソップ （2019年 - ）

まとめ

ウィーン放送交響楽団は、オーストリアの音楽文化を支える重要なオーケストラの一つであり、その幅広いレパートリーと質の高い演奏は、国内外で高く評価されています。特に現代音楽や劇場音楽への取り組みは特筆に値し、今後もウィーンの音楽シーンを牽引していく存在として期待されています。

公式ウェブサイト

Radio-Symphonieorchester Wien - 公式ウェブサイト

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